「働きかけ」のソーシャルスキル
児童用社会的スキル尺度において、「働きかけ」は社会的スキルを構成すると考えられる因子の1つです。
- 仲間を遊びに誘う
- 多くのいろいろな仲間と話をする
- 他の人に話しかける
- 仲間がしている活動にうまく加わる
- いろいろなゲームや活動に参加する
- ユーモアのセンスがある
「働きかけ」の社会的スキルは、具体的には上記のような6つの項目となっています。
解説
因子の意義
社会的スキルにおける「働きかけ」は、文字通り他者へ自ら働きかける積極性やコミュニケーション意欲を指します。
子供の社会的スキルにおいてもしも「働きかけ」の側面に苦手さがあるのであれば、ソーシャルスキルトレーニングで「働きかけ」の側面にアプローチすることが支援としてより具体的で効果的であると考えられます。
逆に社会的スキルに問題がある子でも、「働きかけ」のスキルに問題がないのであればこの点を練習しても有意義とは言えません。
平均値
冒頭の項目についてそれぞれ「全くみられない(1点)」「少しみられる(2点)」「時々みられる(3点)」「よくみられる(4点)」「非常によくみられる(5点)」で評価した場合の合計が、児童用社会的スキル尺度における「働きかけ」の得点となります。
学年・性別によって多少前後しますが、児童用社会的スキル尺度において「働きかけ」の平均は約20点となっています。
このため大雑把に言えば、多くの子供は冒頭で挙げたような「働きかけ」の様子が「時々見られる」程度に積極性を有していることが想像できます。
また、これも学年・性別によって前後しますが標準偏差は約4点となっています。
このため極めて大雑把に言えば、「働きかけ」の得点が16~12点以下の場合、学校生活においてその子は消極的過ぎる可能性が考えられます。
児童用社会的スキル尺度について
参考資料
磯部美良(2006)『児童用社会的スキル尺度教師評定版の作成』(一般社団法人 日本認知・行動療法学会)2024年12月31日閲覧