基数(きすう)とは?
基数とは、数概念のうち量を表す性質のことを指します。
例えば目の前にあるリンゴを数えて「1,2,3」となった場合、リンゴの個数は3個と言えます。
これは数字を言って一番最後に言った数が全体の個数を表しているという数の性質があるためです。
数には量を表す性質や順番を表す性質などがあります。
このうち量を表す性質が基数です。
解説
数概念における基数
「基数」という言葉はその文脈によって多少異なる意味・使われ方をします。
算数など、「基本となる数字」といった文脈では、0~9までの数字を指します。
10の次は11など、十進法において数は0~9までの数字で表すことができるからです。
英語における基数は、「one」や「two」などを指します。
(これに対し「first」や「second」は順番を表すため序数と言います)
そして、数の概念における基数とは、数が物の量を表せることを指します。
〇 〇 〇 〇 〇
1 2 3 4 5
このように、物と数詞を1対1対応させれば一番最後に言った数が全体の個数であり、人は物を数えることができます。これが基数の概念です。
基数構造の理解
数概念の発達が未熟な子供の場合、基数構造が理解できていないケースがあります。
例えば指導者が「ここにあるおはじきは何個あるかな?数えてみてね」など言います。
このとき子供は「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10」と言うことはできても、改めて指導者が「じゃあ、おはじきは全部で何個かな?」と聞いても10と答えられない場合があります。
これは数えた際に一番最後に言った数が全体の個数を表すという基数の性質を理解できていないためです。
このように、数概念における基数性を理解することは、物を数える上で重要であることがわかります。
基数と序数の関係
序数とは?
基数と序数の理解の発達段階
参考資料
伊藤朋子、椎名乾平(2013)『デザインと心理学の架け橋』(心理学評論刊行会)2024年10月26日閲覧