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数の保存課題とは?
「数の保存課題」とは、物は入れ物を変えたり置き方を変えても量は変わらないということがわかっているかを見る課題です。
発達心理学などにおいて「数の保存課題」とは、数の保存の概念を評価するピアジェ(Piaget)が考案した課題を指します。
数の保存の概念は、その物の並びや容器を変えても量自体は同じであるという概念です。
例えばたくさんある苺を大きい容器に入れても小さい容器に入れても、苺の数自体は同じでしょう。
解説
「数の保存課題」の内容
数の保存課題は、整然と並んだおはじきと雑然と並んだおはじきがどちらが多いかを問う形で子供の反応を見ます。
このとき提示するおはじきはどちらも数が同じであり、並びだけが異なります。
数の保存の概念が確立されていれば、当然ながら並びが異なっても数が同じであることはわかります。
一方で、数の保存の概念がまた未熟な場合、雑然と広がって並んだおはじきのほうが多く感じるケースがあります。
課題の手続き
対応づけと確認
指導者は5個前後のおはじき(例えば白色)を机上に一列・等間隔に並べます。
次に、別のおはじき(例えば黒色)を同じ数になるよう、1対1対応で子供に並べてもらいます。
例としては以下のような配置です。
〇 〇 〇 〇 〇
● ● ● ● ●
そして白いおはじきと黒いおはじきが同じ数であることを確認します。
配列の変換
子供が見ている状態で、黒いおはじきの並びを変えていきます。
間隔を広げたり詰めたりして列を崩していきます。
例としては以下のようなものが挙げられます。
〇 〇 〇 〇 〇
● ● ● ●●
この状態で、白と黒のおはじきはどちらが多いか少ないか、あるいは同じか子供に質問して答えてもらいます。
数の保存課題の評価・分析
参考資料
伊藤朋子、椎名乾平(2013)『デザインと心理学の架け橋』(心理学評論刊行会)2024年10月26日閲覧