読書で語彙力は上がるのか?
読書によって子供の語彙力は向上すると考えられます。
これは読書によってその子が知らない新しい言葉に出会い、その新しい言葉の意味を前後の文脈から推測することで得られる効果でもあります。
解説
読書と語彙力の関係
読書をして自分が知らない言葉に出会い、その言葉の意味を調べたり教えてもらう。
当然ながらこのような読書のスタイルであれば語彙力が増えるのは想像に難くないでしょう。
一方で、趣味の読書や余暇としての読書の場合、逐一知らない単語の意味を調べるというのは難しいかもしれません。
前後の文脈から推測して、自分の知らない単語の意味を「おそらく○○な意味だろう」と考えとりあえず文章を読み進める。
このような場合でも、その人の語彙力は向上するのでしょうか。
日本教育心理学会の論文によると、
文章を読む際の未知語のうち、15%の未知語は文章を読むだけでも意味を正しく学習できると考えられています。
つまり読書をしていて100個知らない単語があった場合、15個くらいは前後の文脈を頼りに意味を知ることができているということです。
読書の効果
国内外を含めた多くの研究により、読書量・語彙力・文章理解力は相関があると考えられています。
ここで言う「語彙力」とは「語の意味を知っている」こと、「文章理解力」とは「ある文章を一定時間内に正確に理解できること」と考えます。
「本を読むと国語力は上がる」というのはイメージだけでなく科学的な裏付けもあると言えるでしょう。
そして読書は本人が興味を持って主体的に読むことが大切と言えます。
先程述べた通り、人は読書を通して未知語についてもある程度の推測の下で知識を増やしていくことが可能です。
ただ音読の宿題をこなすような読み方ではなく、物語を理解しようとする姿勢こそが、語彙力や読解力を高めていくでしょう。
参考資料
『複数の読書量推定指標と語彙力・文章理解力との関係』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月13日閲覧