6~9歳のいじめの特徴
6~9歳頃に起こるいじめは、単純な善悪評価によるいじめであることが特徴的です。
つまり些細なきっかけで特定の子を「悪者」と決めつけ、それを正すような意識でいじめを行います。
解説
一方的理解によるいじめ
6~9歳の時期は、他者を一方的に理解する傾向にありこれがいじめの内容にも表れます。
例えば友達同士の喧嘩を目撃した際、「A君が悪い、B君は悪くない」といった極端な判断に陥りがちです。「A君は○○なところが悪かった、B君は○○なところが悪かった」といった俯瞰した判断が難しい傾向にあります。
そしてこの一方的な理解が他の子にも広がってしまい、「A君は悪い奴だ」という一方的な攻撃に発展してしまいます。
他律的な道徳
6~9歳の時期は「他律的道徳」と呼ばれ、人に教えられた倫理観・道徳を鵜呑みにしやすい時期です。
このため大人や先生が言った「正しいこと」をそのまま(自分の中で咀嚼せずに)受け入れてしまう可能性があります。
逆に言うと、例えばクラスで先生が特定の生徒を低く評価してしまうと、それに子供達が同調してしまう可能性があります。
このような大人の評価が、その子を見下す・いじめる大義名分となってしまう場合があります。
維持されにくい集団
6~9歳の時期はまだ複雑で強固な集団いじめは成立しにくい時期です。
先述のように一方的な理解が一致し複数が一人をいじめることはあります。
しかしながら、例えば集団で申し合わせて数日間一人の子を無視し続けるといった集団的ないじめは成立しにくい発達段階となっています。
小学校低学年期(6~9歳頃)の発達といじめの解説
参考資料
丸山真名美(1999)『思春期の心理的特徴と「いじめ」の関係』(心理科学研究会)2024年3月8日閲覧
楠凡之(1997)『少年期のいじめ問題の発生機序と教育指導 : 自我・社会性発達の観点から』(心理科学研究会)2024年4月28日閲覧