子供に謝らせる親は正しいか?
子供が何か良くないことをしてしまったとき、「ごめんなさいは!?」と親が子供を謝らせるのは良いことなのでしょうか。
これは経緯によるでしょう。
ただ流れ作業のように「ごめんなさいは?」を言っている家庭は、良い言葉かけとは言い難いです。
反対にきちんと子供と向き合った上での謝罪の促しであれば有意義でしょう。
解説
ただごめんなさいと言わせているだけ
世の中には、子供にただ「ごめんなさい」と言わせているだけの親が少なからずいます。
例えば子供がお店で騒いでいるとき、「静かにしなさい」「ごめんなさいは?」といった声掛けをスマホを見ながら・自分の買い物をしながら言っている親がいます。
要するにただの義務感として声掛けをしていて、子供と本当の意味で向き合っていません。
親が流れ作業であれば、子供の「ごめんなさい」もただの流れ作業になって当然です。
このような類の「ごめんなさいは?」はまったく効果がないか、むしろ逆効果になってしまいます。
逆効果とは、「ただ謝ればいいと思っている」言い方の「ごめんなさい」を子供が覚えてしまうということです。
子供と向き合った言葉かけ
「ごめんなさいは?」と子供に促すのであれば、親自身が子供としっかり向き合う必要があります。
子供のことを受け入れながらも、いけないことはいけないと節度を持って接することです。
例えば子供が何度言っても家の中で騒いでしまい、ついに家の物を壊してしまったとします。
このとき、「たくさん運動したかったね。でもお母さん言ったよね。話を聞かずに騒ぐのはいいことかな?」
などのように、子供の状況も認めた上で、言葉かけを行います。
そして必ず子供が自分で考えて答えるような質問をします。
ただ「うん」と言えばいいだけのやりとりでは、子供が考える機会を持てませんし、ただ「うん」だけで済むやりとりは子供からすれば「楽」です。
「お家の物が壊れちゃったね。なんて言ったらいいのかな?」
「ごめんなさいは?」と言う前に、まずは自分で言えるか問いかけてもいいでしょう。
そして子供が「ごめんなさい」と言えたら、改めて通してやりとりを行います。
「じゃあ、自分で言えるよう練習ね。お母さんはキッチンにいるから、自分でなんて言ったらいいか考えてお母さんのところに来てね。」
くどいようですが、必ず仕切り直して一連のやりとりの中で子供が自分からごめんなさいを言えるよう(ロールプレイのように)行います。
これは「ごめんなさいは?」→「ごめんなさい」という親が促して機械的に子供が言うことを習慣化させないためです。
この考えは行動心理学にも通じます。
自発的な謝罪を習慣化させるには、自発的な状況で言う練習をしなければなりません。
そのため、きちんと最初から自分でどう行動したらいいか学び体験する機会を設けます。