実行機能

実行機能の訓練方法|子供の非認知的能力を伸ばすには?

公開日:2022年9月4日


 
 

実行機能の訓練方法

 近年は知能(IQ)とはまた異なった非認知的な力が人生には必要であるという考えが教育学を中心に浸透してきています。

 一方で、人の能力にはIQ以外の側面があるというのはすでに古くから研究されており、そのうちの1つに実行機能(遂行機能)という概念があります。

 非認知力と実行機能はまったく同じ概念ではありませんが、自分をコントロールし目的達成のための過程を整えるという点では共通する点も多々あると考えられます。

 以下に、実行機能のトレーニングとして比較的有用と考えられているものを挙げていきます。

 
 
 

解説

モンテッソーリ教育

 モンテッソーリ教育とは、子供の活動を促す環境設定をした空間にて、子供の主体性を重んじる幼児教育法です。

 名前の通り海外の幼児教育法ですが、日本でも広く認知され内容は知らなくても名前だけは聞いたことがある人も多いでしょう。

 
 

Tools of the mind(心の道具箱)

 ヴィゴツキーの理論をもとに作られたのが「Tools of the mind」です。
 海外では有名なものの日本ではまだいまひとつ浸透していない印象も受けます。

 「Tools of the mind」は「心の道具箱」と訳されることが多いです。

 心の道具とは、心理的な工夫・方法のことを指します。

 例えば子供はただ「待っていて」と言うだけだと我慢が辛いですが、「今からお城を守る兵隊さんになって」などのようになりきるイメージを持たせると、同じ子供でも待てる時間が長くなることがあります。

 
 

RoboMemoプログラム

 RoboMemoはワーキングメモリーをトレーニングするパソコンで行うゲームです。

 子供の教育アプリは世の中に多くありますが、RoboMemoは研究論文として引用されることも多く、比較的エビデンスのあるゲームと考えられます。

 
 

非構造化された活動

 
 

親子相互作用の活用

 
 
 

参考資料

『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『自己制御と実行機能の関係の検証に係る諸問題』(心理学評論刊行会)2022年5月5日検索

『知的障害児のプランニングと抑制機能の支援に関する基礎的・実践的研究』(東京学芸大学)2022年5月5日検索

『心の理論の生涯発達における実行機能の役割』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『幼児版ストループ課題の作成』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月6日検索

『幼児における「心の理論」と実行機能の関連性 : ワーキングメモリと葛藤抑制を中心に』(一般社団法人 日本発達心理学会)2021年11月6日検索

『幼児における「心の理解」の指標としての嘘をつく行為と葛藤抑制能力との関連』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月8日検索

『言語ラベリングが実行機能課題に及ぼす効果とその持続性-幼児期に着目して-』(京都大学学術情報リポジトリ)2021年12月4日検索

『子どもの認知発達の指標として「うそ」をとらえる』(日本心理学会)2021年12月29日検索

『日本語版 BRIEF-P の開発』(日本発達障害支援システム学会)2021年12月30日検索

『子どものGO/NO-GO課題と生活調査 : 日本の1998年と中国の1984年を比較して』(信州大学 他 国立国会図書館デジタルコレクション)2021年12月30日検索

『「乳幼児の脳を「go/no-go 実験」から分析し,成人らしい「活発型」へと変化・成長させていく取り組み』(白梅学園大学・短期大学 学術リポジトリ)2022年1月9日検索

『小学生における高次神経活動の実態とそれに及ぼす生活状況の検討:go/no-go課題における誤反応数と型判定の結果を基に』(日本発育発達学会)2022年1月9日検索

『遂行(実行)機能をめぐって』(認知神経科学会)2022年6月24日検索

-実行機能

テキストのコピーはできません。