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GO/NO-GO課題の大脳活動の型
GO/NO-GO課題とは、実行機能に関する評価方法の1つです。
点灯されるランプの色とルールに基づき、ゴム球を握る・握らないを選択してもらいます。
GO/NO-GO課題はその正答や誤答の様子から、大脳活動の傾向を不活発型・興奮型・抑制型・おっとり型・活発型の5つに分類する考えがあります。
大脳活動の型の解説
GO/NO-GO課題の意義
GO/NO-GO課題はその性質から、被験者の物事に対する「興奮」と「抑制」の力を見ることができます。
GO/NO-GO課題はランプの色とルールに基づき、ゴム球を握る・握らないを選択してもらいます。
「興奮」が強すぎればゴム球を握らなくていい場面でも握ってしまうでしょうし、逆に「抑制」が強すぎればゴム球を握らないといけない場面で握ることができないでしょう。
GO/NO-GO課題をこなすには興奮と抑制のバランス・強さ・切り替えのスムーズさが必要です。
そしてこれらは実生活にも役立つ力と言えるでしょう。
大脳活動の型の傾向
信州大学などの論文にある、1998年の調査では、
不活発型:24.6%
興奮型:23.8%
抑制型:7.7%
おっとり型:12.3%
活発型:31.5%
となっています。
これが小学校低学年になると
不活発型:4.6%
興奮型:27.8%
抑制型:9.3 %
おっとり型:10.2%
活発型:48.1%
小学校高学年では
不活発型:4.9%
興奮型:32.0%
抑制型:1.0%
おっとり型:6.8%
活発型:55.3%
中学生では
不活発型:0%
興奮型:32.4%
抑制型:0%
おっとり型:14.3%
活発型:53.3%
という傾向が見られました。
このように、興奮と抑制のバランスが不十分である「不活発型」は、成長と共に割合としては減少していく傾向が見られます。
非認知的能力の促し
興奮と抑制のバランス・強さ・切り替えのスムーズさは、知識とはまた異なる非認知的な力と言えます。
非認知的な力は直接的な知識とは異なった能力ですが、日常生活やその人の人生にとって大切な力の1つと言えるでしょう。
こういった非認知的な力を促す学習や活動・ゲームなどを取り入れることは子供の成長を促す上で有意義かもしれましれません。
また、運動や散歩など、適度な発散も子供達の興奮と抑制のバランスを調整する上で役立つでしょう。
GO/NO-GO課題の解説
課題の内容
評価基準と方法
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『子どものGO/NO-GO課題と生活調査 : 日本の1998年と中国の1984年を比較して』(信州大学 他 国立国会図書館デジタルコレクション)2021年12月30日検索
『「乳幼児の脳を「go/no-go 実験」から分析し,成人らしい「活発型」へと変化・成長させていく取り組み』(白梅学園大学・短期大学 学術リポジトリ)2022年1月9日検索