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幼児向けストループ課題
ストループ課題に類する課題を幼児に行う場合は、「昼/夜ストループ課題」や「ワンにゃん課題」などがあります。
ただし幼児向けのストループ課題は研究途中で確立されていない面もあり、実施する場合はその子の理解度や状況を見ての適用になると考えられます。
解説
ストループ課題とは?
ストループ課題とは例えば「赤」と書かれた青色の文字の色を答える課題です。
文字の色を答えるわけですから当然この場合は「青」と答えないといけないわけですが、文字自体は「赤」と書かれているため被検者ついつい「赤」と答えてしまいます。
ストループ課題は上記のような性質から、実行機能における「優性反応抑制」能力を見る検査と位置付けられます。
ついつい文字を読んでしまう「優勢反応」を「抑制」し、あくまで文字の色を答えてもらいます。
ストループ課題を幼児向けに考慮する理由
このようにストループ課題は「ついつい出てしまう反応」を前提としています。
しかしながら、まだ文字を読むことが定着しきっていない幼児期においては、文字と色を使った通常のストループ課題では優勢反応が成立しません。
このため、子供に優勢反応を生じさせるような課題設定、つまり幼児版のストループ課題が必要になってきます。
昼/夜ストループ課題とは?
ワンにゃん課題とは?
ワンにゃん課題とは、名古屋女子大学の矢野円郁氏らが考案したストループ課題です。
ワンにゃん課題の内容は、写真と泣き声がランダムに組み合わさって呈示される状態で、写真の動物を答えてもらいます。
つまり、犬の絵と「ワン」という鳴き声が提示されたときは当然「犬」と答えなければならないですが、犬の絵と「にゃん」という鳴き声が聞こえた場合も「犬」と答えないといけません。
参考資料
『心の理論の生涯発達における実行機能の役割』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『幼児版ストループ課題の作成』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月6日検索
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索