順序無関係の原理（じゅんじょむかんけいのげんり）とは？
「順序無関係の原理」とは、物をどこから数えても全体の数は同じであるという原理です。
例えば山積みになった苺を数える際、右から数えても左から数えても真ん中から数えても（正しく数えれば）合計は同じ数になるでしょう。
数を数えるという行為は、「左から数えた場合と右から数えた場合は答えが違う」といったことは生じません。
これは物を数える上での原則の１つと言えるでしょう。
順序無関係の原理は、人間が数を正しく数えるのに必要な「計数の５原理」のうちの１つです。
解説
位置付け
数を数えることを「計数」と言います。
そして人間が数を数えるためには５つの概念が必要とされ、「計数の５原理」と言われています。
計数の５原理は以下の５つです。
- １対１対応の原理
- 安定順序の原理
- 基数の原理
- 抽象の原理
- 順序無関係の原理
このように、「順序無関係の原理」は数を数えるために必要な５つの力のうちの１つであることがわかります。
順序無関係の原理の解説
冒頭で述べた通り、順序無関係の原理は数え始める位置・順番によらず物を数えられることを示します。
もちろん、物を数える際は左から右、右から左など一定した方向で数えるほうが「間違えにくい」でしょう。
子供に数を数えることを教える場合は、こういった原則と「間違えにくいやり方」は分けて指導したほうがいいでしょう。
つまり「どこから数えても答えは一緒、けれど間違えにくいやり方がある」といった共通認識をもつことは大切です。
計数の原理の解説
参考資料
『小学1年生における計算学習の現状と課題 : 1年生の算数指導に関わった経験のある教員への質問紙調査と1年生への調査を通して』（植草学園短期大学）2022年6月3日検索
『数表記・数詞・具体物の三項関係に関する論考』（京都女子大学）2022年06月03日検索
『小学校学習指導要領解説算数編（後半）第３章 各学年の内容』（文部科学省）2022年06月11日検索
『インタラクションを通した数の概念の獲得』（人工知能学会全国大会論文集）2022年06月11日検索
