数概念の発達

量の保存課題(長さ)とは?|ピアジェの認知発達理論と子供の数概念

公開日:2025年2月14日

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長さの保存課題とは?

 物は容器や配置を変えても、その量自体は同じです。
 このような「数の保存」あるいは「量の保存」の概念は子供が発達する中で段階的に獲得していきます。

 スイスの心理学者であるJean Piaget(ジャン・ピアジェ)は、こういった概念の獲得状況を確認するため「量の保存課題」を複数考案しました。

 このうち、「長さの保存課題」は同じ長さの棒の位置を変えることで、保存の概念が獲得されているかを見ます。

 
 
 

解説

「長さの保存課題」の概要

 「長さの保存課題」も他の保存課題と同様に、対応づけ困難な段階・非保存段階・移行段階・保存段階と段階を経て上達していくと考えられています。

 保存課題はおおむね「確認」と「変換」の2段階の手続きにて行います。
 そして長さの保存課題における変換は、棒を提示する際の位置で変化をつけます。

 そして長さの保存課題も他の保存課題同様、ピアジェの認知発達理論における「具体的操作期(7~11,12歳)」に獲得されると考えられています。

 
 

課題の手続き

対応づけと確認の手続き

 同じ長さの棒2本を子供に提示し、2本の棒が同じ長さであることを確認します。

 このとき2本の棒は平行に配置し、両端の位置がずれないようにしておきます。

 

変換の手続き

 子供が見ている前で、2本の棒のうち1本を平行に少しだけずらします。

 この状態で、子供にどちらのほうが長いか、あるいは同じ長さかを問います。

 ちなみに変換の手続きは子供が見ている状態で行うことが最も重要です。
 前段階で確認した「2本の棒は同じ長さである」という前提を維持するためです。

 子供が見えないところで行ってしまっては、なんらかの量的な介入があったことが否定できず課題の意味がなくなってしまいます。

 
 
 

保存課題の評価・分析

 
 
 

ピアジェの認知発達理論とは?

 
 
 

参考資料

伊藤朋子、椎名乾平(2013)『デザインと心理学の架け橋』(心理学評論刊行会)2024年10月26日閲覧

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