発達障害児の動きの多動さ
発達障害あるいは自閉症スペクトラム障害(ASD)児・者は、しばしば運動や日常生活動作において多動さを呈する場合があります。
例えばその場でピョンピョン跳び跳ねたり、くるくると回るような動きなどです。
以下、発達障害児の多動さについて、事例も交えながら見ていきます。
解説
自閉症スペクトラム障害児の運動の不器用さ
脳の非進行性の機能障害が推定される発達障害児者は、体性感覚系の異常さを伴うケースがあり、これにより運動面の不器用さ・多動さを呈する場合があります。
あるいは、発達性協調運動障害などを合併するケースが考えられます。
日本自閉症スペクトラム学会の論文に、自閉症スペクトラム障害児者の運動発達について調査したものがあります。
自閉症スペクトラム障害の子供を養育する保護者へのアンケート結果から、運動面の多動さの事例をいくつか要約していきます。
多動さの具体例
- 多動であり薬を服用しなければ抑えられない。
- 多動で指示通りの作業をこなすことに困難さがある。
- ピョンピョン飛び跳ねる。
- その場でぐるぐる回ったり、あるいはぐるぐる走り回る。
- 歩き始めたと思ったらすぐ走り出す。
- 玄関を出るとすぐに走り回り、安全確保が難しい。
- 公園などでひたすら走り回る。
- 疲れるまで動き続ける。
- 坂道を登ったり下りたりし続ける。
- じっとしていることが少なく、ほとんど動いている。
- 興味の対象があるとさーっと走り出す。
- (興味のあるものがあると)声をかけてもほとんど振り向かない。
- 多動ではあるが身体の柔軟性に欠ける。
いずれもあくまで例であり、上記のような所見があれば必ず発達障害というわけではもちろんありません。
参考資料
是枝喜代治(2014)『ASD(Autistic Spectrum Disorder)児者の初期運動発達の偏りに関する研究 保護者へのアンケート調査を基に』(NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会)2024年12月21日閲覧