子供のわがままの直し方
子育てにおいて子供の「わがまま」に関して大切なことは、
子供のその行動が、しつけを行うべきわがままなのか親が見極めることと、
しつけを行うべきわがままであれば親が確固たる態度で折れないことです。
子供の問題行動も、場合によっては許してあげないといけない貴重な子供のサインである可能性があります。そのため見極めが必要です。
ここで言う「しつけを行うべきわがまま」とは、行動心理学的に「誤学習」の可能性がある行動のことです。
以下、もう少し詳しく掘り下げていきます。
応用行動分析(ABA)と子育て
心理学の1つに、応用行動分析(ABA)というものがあります。
応用行動分析とは、人間の行動の因果関係を、前後の環境から導き出す方法論のことです。
例えばスーパーでお菓子を買ってほしくて床に寝ている子供がいたとします。
この状態をこの子の「性格である」と片付けるのではなく、
この子はまだ長時間何もご褒美がない状態では退屈さに耐え切れず、また以前に床に寝たことでお母さんがお菓子を買ってくれた経験を覚えている。
またそれをおねだりするほどの十分な言葉の力も身についていない。
そのため長時間何もしない時間が経過してお店のお菓子が目に入った場合、行動で親に要望を伝えようとしてしまう。
というように掘り下げて考えます。
ここまで考えれば、あとはこの子のわがままを改善する方法はいくつか絞れます。
1つは買い物を短時間で済ませること。
もう1つはお菓子コーナーを通らないようにすることなどです。
そして、
行動ではなく他者とのやりとりで交渉ができるように、やりとりの力を身に着けていくことです。
子供のわがままに親が負けない覚悟
先ほどの例の場合、子供が床に寝たからといって、すぐに「わかったから、買ってあげるから起きなさい」としては、
子供は駄々をこねれば自分の好きな物を買ってくれるんだという間違った認識が習慣化してしまいます。
このように、本来望ましくない行動、誤った手法で目標を達成する行為を誤学習と言います。
親は子供の誤学習に踏みとどまらなければいけません。
駄々をこねる → お菓子を買ってもらえる
という子供の一方的なやりとりではなく、
大人との交渉・譲歩の余地を取り入れていきます。
例えば、「お菓子を買ってほしいなら、まず立ち上がって、お母さんの買い物が終わるまで着いてきて」
のようにこちらの条件を提示します。
その子が少し頑張ればできそうな条件です。
こうしてこちらの意見も聞かないと、物事は達成できないという話し合いの経験を積みます。
そこで「嫌だ、今買って、今買って~」と駄々をこねるのであれば、
絶対にお菓子を買わないようします。
親が絶対に譲らないわけです。
こうすることで、
わがままだけでは自分の好きな結果は得られないのだという経験を子供に刻み込んでいきます。
おわりに
子供のわがままに親が確固たる態度で折れないというのはかなりしんどいものです。
しかしながら、子供のわがままに折れてしまうと、それが習慣化して、修正するのは最初以上に労力がかかります。
子供のわがままに立ち向かうのは、ある意味で子育てにおける先行投資です。
一方で、冒頭に述べたように、中にはこちらが折れて子供を受け入れてあげるべきわがままもあります。
一例としては、子供の今の発達状況からは明らかに不可能な発達レベルや忍耐力を要する活動です。
こういったそもそもできないことを強いるのは、子供にネガティブな印象しか与えません。
なんでもそうですが、
子供が乗り越えられるちょうどよい難易度の壁でなければ、越えさせる意味はありません。