「構音障害の指導技法―音の出し方とそのプログラム」レビュー
「構音障害の指導技法―音の出し方とそのプログラム」。
専門家の間では必読の1冊として有名な本ですね。
理論というよりは実践に重きをおいた1冊です。
そのため、
構音訓練に携わる場合はぜひとも触れておきたい1冊ですね。
「構音障害の指導技法」とは?
「構音障害の指導技法」はお子さんの滑舌の改善に関するトレーニング方法が書かれた本です。
発音や滑舌のことを医学的には「構音(こうおん)」と言います。
構音の障害、つまりうまく発音ができない状況を「構音障害」と言います。
構音障害にはその背景により複数種類があります。
構音障害の中でも、外科的疾患や脳神経的疾患のない構音障害を「機能性構音障害」と言います。
「機能性構音障害」は主に幼児期あるいは児童期のお子さんに比較的見られます。
「構音障害の指導技法」はこの「機能性構音障害」、特にお子さん達が楽しく発音の練習をするにはどんな工夫が必要かを考えた1冊です。
「構音障害の指導技法」の解説
「構音障害の指導技法」は各音の練習方法を数段階のステップにわけて書かれています。
構音障害というのは医学的な分野になります。
医学において科学的根拠(エビデンス)は非常に重要です。
その手技が科学的にどれほど証明された有効な手段なのか。
「構音障害の指導技法」の科学的根拠は正直必要最低限といった感じで、そこまでエビデンスに富んだ内容ではありません。
しかし一方で、
お子さんと発音の練習をするときはどんなことに気をつけたらいいか、どんなことをすれば飽きられないですむかといったことが事細かに書かれています。
医療現場というものは往々にして、理論は学んだが具体的にどうやったらいいのかという実践不足で悩むことが多いです。
そう考えると、
「構音障害の指導技法」は指導者にとって心強い一冊と言えます。
おわりに
「構音障害の指導技法」は読んでいると筆者の熟練感というか職人的な経験の豊富さがうかがえます。
構音障害の本はいろいろありますが、構音障害の指導をするためにどれか1冊となればこれが第1候補かなと思います。
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