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M-CHAT(修正版乳幼児期自閉症チェックリスト)とは?
M-CHATとは、保護者への問診形式による自閉症スペクトラム障害のチェックリストです。
チェックリストの類はあくまで目安であり、
M-CHATで引っかかったからと言って即その子が自閉症というわけではありません。
しかしながら、発達障害の多くは目に見えにくい障害であり、そういった障害に対してはより客観的な評価や判断が必要になってきます。
例えば知的障害などは(数値だけで診断に至るわけではないですが)IQなどは客観的な判断の材料と言えます。
このため、「この問診で何項目該当したら自閉症の可能性が考えられる」と客観的な数値を踏まえて評価できるM-CHATは貴重なツールの1つと言えます。
もともとはイギリスにCHATという自閉症スペクトラム障害のチェックリストがあり、それをアメリカで改良したものがM-CHATです。
Modified Checklist for Autism in Toddlers
直訳すると「幼児における自閉症のためのチェックリストの修正版」といったところでしょう。これを略して「M-CHAT」です。
M-CHATの解説
対象年齢
M-CHATの対象年齢は2歳前後とされています。
もう少し具体的には1歳半から2歳代と考えてよいでしょう。
アメリカの場合は2歳前後を想定し作られていますが、日本の場合1歳半検診があるのでその際の活用も意識して日本語訳されています。
パーセンテージ
研究データとしてはデータとしては、
- 1歳半の子供に対して親がM-CHATを記入
- 1~2カ月後、今度は専門スタッフが親に訊く形でM-CHATを実施
この2段階手法にて引っかかった子のうち79%が自閉症スペクトラム障害だったそうです。
つまり、M-CHATを正しく記入して引っかかった場合、約8割の確率で自閉症スペクトラム障害の可能性が考えられます。
この79%という精度が高いか低いかは別として、
普通の人はその子を見ただけで「この子は8割の確率で自閉症です」なんて断言できないでしょうから、M-CHATは客観視を助けてくれる心強いツールと言えるのではないでしょうか。
内容
M-CHATは23項目ある質問にそれぞれ「はい」か「いいえ」で答えていきます。
M-CHATはネット上に公開もされているので、無料で閲覧することができます。(後述のリンクで見ることができます)
ただし記入はあくまで自己責任でお願いします。
本当に気になる方はこれにあわせて専門機関の受診もお勧めします。
M-CHATのネタばれ
M-CHATは他の多くの問診票の類がそうであるように「はい」の項目と「いいえ」の項目が混ざっていて、どの項目が「はい」と答えると自閉症と示唆され、どの項目が「いいえ」と答えると自閉症と示唆されるのか記入者にはわからないようになっています。
(発達障害に関する知識があると、どれが「はい」の項目でどれが「いいえ」の項目か検討はつくかもしれませんが。)
項目の11、18、20、22は「はい」
それ以外の項目は「いいえ」を記入していたらチェックします。
またM-CHATは23項目中、特に自閉症の症状を示唆する重要項目というものがあります。
重要項目は2,7,9、13,14,15です。
M-CHATの採点では、
・全項目中3項目以上チェック
・重要項目中2項目以上チェック
上記のいずれかで陽性(つまり自閉症の可能性あり)と判断されます。
M-CHATの絵の解説
参考資料
『自閉症スペクトラム障害(ASD)の早期診断へのM-CHATの活用』(国立精神・神経医療研究センター)2021年2月17日検索
『日本語版 M-CHAT』(国立精神・神経医療研究センター)2021年2月17日検索