アニメーション版・心の理論課題とは?
アニメーション版・心の理論課題とは、パソコン画面上にて心の理論課題を行える検査道具です。
価格は3000円ほどで、パソコンにインストールして扱うことができます。
検査内容
課題には、
- サリーとアン課題
- スマーティー課題
- ストレンジ・ストーリーズ「罪のない嘘」課題
- 妨害と欺き課題
- ジョンとメアリー課題
といった心の理論の研究における有名な問題が取り入れられています。
これらを日本人向けにアレンジしたものがアニメーション版・心の理論課題では使用されます。
例えばサリーとアン課題の場合、登場人物が「なつきちゃん」など日本人の名前になっています。
解説
アニメーション版・心の理論課題は子供が食いつきやすい動画で検査を行えます。
動画の問題に合わせて答えてもらうので、実施も手軽です。
一方で、多動な子に対しては精密機器を呈示することに抵抗がある指導者も少なくなく、パソコンがないと使えないという点はデメリットともとれます。
また、アニメーション版・心の理論課題は良くも悪くも子供達にとってわかりやすく、課題に正解しても実生活の複雑な人間関係でで同じように意図を読み取れるかというとケースバイケースな面もあります。
これは心の理論全般に言えることですが、
発達障害児の社会性やコミュニケーションの問題を心の理論の評価・課題だけで網羅することは困難です。
あくまで評価の1つ、情報の1つとしてとらえるほうが無難でしょう。
このように扱いには注意が必要な「アニメーション版・心の理論課題」ですが、心の理論に関する課題が複数網羅されている本検査は、指導者にとって興味深い教材の1つかと思います。
参考資料
『発達障害における基礎研究と臨床への適用 自閉症スペクトラム障害と心の理論の視点から』( 一般社団法人 日本発達心理学会)2021年2月23日検索
『アニメーション版 心の理論課題 課題構成』(DIK 教育出版)2021年2月23日検索