アイスクリーム課題の類似問題は?
アイスクリーム課題と類似した問題としては、誕生日課題などがあります。
アイスクリーム課題も誕生日課題も心の理論における二次的誤信念課題に分類されます。
二次的誤信念課題はサリーとアンの課題のような標準誤信念課題(一次的誤信念課題)よりも難しい誤信念課題とされています。
誕生日課題の内容
【問題文】
ケンタ君は誕生日プレゼントに子犬が欲しいと思っていました。
ケンタ君のお母さんは、ケンタ君に内緒で子犬を買い、ケンタ君を驚かそうと子犬を庭の倉庫に隠しておきました。
そしてケンタ君には誕生日プレゼントにはぬいぐるみを買ったと伝えました。
しかし外で遊ぼうと倉庫からサッカーボールを取り出す際、ケンタ君は子犬を偶然見つけてしまいます。
ケンタ君は「やったー、お母さんはぬいぐるみを買ったんじゃなかったんだ。本当は子犬を買ってくれたんだ」と思いました。
でもお母さんはケンタ君が子犬を見つけたことを知りません。
ケンタ君が外に遊びに行っている間、おばあちゃんが家にやってきました。
おばあちゃんはお母さんに
「ケンタは本当の誕生日プレゼントを知っているの?」
「ケンタは誕生日プレゼントはなんだと思っているの?」
と聞きました。
【質問】
お母さんはおばあちゃんになんと言うのでしょうか?
【答え】
「ケンタ君は本当の誕生日プレゼントを知らない」と、
「ケンタ君は誕生日プレゼントはぬいぐるみだと思っている」
研究者によって微妙に人名や言い回しが異なることがありますが、誕生日課題はおおむね上記のような内容になります。
解説
二次的誤信念課題は「Aさんは○○と思っているとBさんは思っている」という入れ子構造をとります。
上記の誕生日課題の場合、「ケンタ君は本当の誕生日プレゼントを知らないとお母さんは思っている」という構造が理解できないと正解できません。
一方でサリーとアンの課題に代表される一次的誤信念課題は「Aさんは○○と思っている」という構造をとるので、二次的誤信念課題のほうが複雑で難しい課題と言えます。
定型発達では6~7歳頃、あるいは9~10歳頃に二次的誤信念課題を正答できるようになってくると考えられています。