ADHD(注意欠如・多動症) 発達障害の検査

ADHD-RSとは?~注意欠陥多動性障害の評価とチェック~

公開日:2018年12月11日


 
 

ADHD-RSとは?

 ADHD-RSとは、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の評価に用いられる尺度のことです。

 不注意や多動に関わる質問に親や教師が回答する形で評価します。

 質問は18項目あり、それに答える形で注意欠陥や多動性の程度がわかります。
 
 
 

解説

ADHD-RSの意義や位置づけ

 他の発達障害や自閉症の診断と同様に、ADHDの診断は最終的に医師の判断によって行います。

 そのため、ADHD-RSの結果によって即ADHDかどうかの診断がつくわけではありません。

 一方で、医師や周囲の主観だけでADHDと診断することはできないでしょう。
 何らかの客観的な基準が必要になります。
 こういった際に、ADHD-RSは資料の1つとなるでしょう。

その子の不注意や多動の程度を客観的に評価するのがADHD-RSの位置づけです。

 
 

ADHD-RSのメリット

 先述の通り、ADHD-RSは18項目の質問に答えるかたちで実施します。

  • ADHDという判断が難しい障害を客観的に評価できる
  • 不注意と多動性を分けてみることもできる
  • 実施が簡便で短時間で済む


といった点がADHD-RSの長所と言えます。

 
 

ADHD-RSの活用

 ADHDは注意欠陥・多動性障害と言われるように、不注意と多動性がまとめられがちです。

 しかし当然ながら「不注意」の側目が強い子と「多動性」が強い子では支援の内容が異なっていきます。

 ADHD-RSは「不注意」と「多動性」それぞれの得点も見ることができるので、その子の日常生活の困り事が「不注意」によるものなのか「多動性」によるものなのかを客観的に評価できます。

 
 
 

ADHD-RSの実際

対象年齢

ADHD-RSの対象年齢は5歳~18歳です。

 比較的幅広く使える小児分野の評価尺度と言えます。

 
 

所要時間

 所要時間は10分くらいです。

 しかし質問紙形式ですので、その人が記入に際してどのくらい考え込むかにもよるでしょう。

 
 

実施方法

 用紙にそって項目に答えてもらいます。

 質問は全部で18項目あります。

0点:ない、もしくはほとんどない
1点:ときどきある
2点:しばしばある
3点:非常にしばしばある

の4段階で答えてもらいます。

 
 

採点方法

 例えば質問の1つの回答が「4」であれば4点、これらを合計していきます。

 ADHD-RSの項目は、「不注意」に関する項目と「多動性」に関する項目がそれぞれ9個ずつあり、これらの合計点がADHD-RSの得点になります。

 
 

カットオフ

 
 
 

参考資料

『ADHD-RS』(国立保健医療科学院)2018年12月8日検索

-ADHD(注意欠如・多動症), 発達障害の検査

テキストのコピーはできません。