療育とは障害を持ったお子さんを教育・保育・医療・社会的にケアすることです。
障害とは身体障害だけでなく、知的障害や自閉症などの発達障害も含みます。
理学療法士とはリハビリ職種のひとつです。
リハビリというと高齢者のイメージがありますが、
障害を持ったお子さんの運動面を中心としたサポートも理学療法士の分野のひとつです。
理学療法士は英語の頭文字をとってPTとも言われます。
補足記事:理学療法士とは
理学療法士は主に基本動作に関するリハビリを行う職種です。
基本動作とは「歩く」「立つ」「座る」「寝返る・起き上がる」など文字通り人間が生活の上で行う基本的な動作です。
ですので「歩けない」「立てない」「座れない」「起き上がれない」などといった身体状況の方が対象になるわけです。
そのため「この疾患なら理学療法が必要」と
疾患名だけで理学療法の対象か否かを決めることはできません。
例えば知的障害を持ったお子さんでも
立ったり歩くことに支障があれば対象になるかもしれませんし、
基本動作に不自由がなければ対象にならないかもしれません。
理学療法が必要か否かは最終的には医師の判断に基づきます。
ただし、傾向としては
・脳性麻痺
・運動面に不自由さがある場合のダウン症児
・身体動作に不自由がある未熟児
・装具などが必要な肢体不自由児
などが対象になることが多いです。
医師の診察により理学療法が必要と判断されれば、
理学療法士による理学療法を受けることができます。
この「理学療法士による理学療法」というのが案外ポイントです。
理学療法士は名称独占資格です。
名称独占とは平たく言うと、
「理学療法は誰でもしていいけれど、『理学療法士です』と名乗って理学療法していいのは資格を持っている人だけ」といった縛りです。
関連記事:業務独占・名称独占の違い
・医師の診断
・国が定めたリハビリに必要な設備基準
・理学療法の資格を持ったスタッフ
これらがそろってはじめて理学療法が可能です。
つまり保険診療でリハビリを受けることができるのです。
療育も同様です。
理学療法士による療育を受ける場合、
それが保険診療であれば費用なかなりの部分が補助されます。
一方で、資格を持っていなかったり持っていても医師の診断や設備がない場合は保険診療をできません。
そうなると地域の体操教室のような月謝が発生する可能性があります。
療育に限ったことではありませんが、
理学療法士の仕事内容としてはまず基本動作のトレーニングがあります。
さらに療育においてはお子さんの車椅子や補装具の作成も大切な役割になっていきます。
座る姿勢が困難なお子さんには、座位をサポートするクッションを作成することもあるかもしれません。
また、食事面(専門的には摂食嚥下障害と言います。)に課題があるお子さんの場合は、安全に食事を取れるように姿勢の取り方についてアプローチすることもあります。
関連記事:障害児に関わる仕事ってどんな感じ?