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費用自己負担になることばの教室とそうじゃないとこの違い

公開日:2018年3月28日

「ことばの遅れのあるお子さん」が「ことばの訓練」を受けることができる場所はいろいろありますが、健康保険が使える場所と使えない場所に大きく分けることができます。

両者の違いはなんでしょう?
 
 

 
 
 

ことばの訓練と自己負担額

知的障害や発達障害などなんらかの障害によりことばに遅れが見られる場合、特別な指導を受けたいと思うことがあります。

ことばの指導をうける場所には健康保険が使える場所と使えない場所があります。

健康保険が使える場所なら当然ながら自己負担額が少なくて済みます。
基本は3割負担で、お子さんなら乳幼児医療証などがあるので実質負担額が0円でことばの訓練を受けることができることも多い。

じゃあ、この健康保険が使える使えないの分かれ道はなんなのでしょう?
 
 
 

保険が使える医療機関

ことばの訓練は主に言語聴覚士が行います。
言語聴覚士とはリハビリの国家資格。
リハビリなので言語聴覚士は行うことばの訓練は医療行為であり健康保険の対象なわけです。

ただしこれには条件があって、
言語聴覚士は単独では保険点数が請求できないのです。
言語聴覚士が保険点数を請求するには医師の処方が必要なのです。

つまり、「医師と言語聴覚士がいる病院」であれば健康保険が適用された「ことばの訓練」を受けることができるわけです。
 
 
 

保険が使えない「ことばの教室」

一方で、保険が使えない「ことばの訓練を受ける場所」は先述の条件を満たしていない所です。

具体的には
・医師がいない
・指導するスタッフが言語聴覚士の免許を持っていない
・場所が病院としての施設基準を満たしていない

などなど。

こういった条件を満たしていない場所が費用が自己負担になる「ことばの教室」となります。
 
 
 

両者の違い

何をするにしても費用は安いに越したことはありません。

しかしながら「健康保険が使えるところが良くて、自己負担のことばの教室は悪い」とは一概には言えない。それぞれの長所・短所があると思います。

例えば病院って待ち時間長いですよね。
医療機関のことばの訓練って自己負担額が安いこともあって人数がすごく多い。場所によっては満員で予約を取るのに何カ月待ちになることも。

一方で、個人でやってる「ことばの教室」は病院よりは空きがあるかもしれません。もちろん場所によりますが。
ただし全額自己負担。さらに医師が診察しているわけではないので、その子の指導内容が適切か否かはそこのスタッフと親御さんの責任で判断しないといけない。

いずれも状況に合わせて活用していきたいものです。
 
 
 

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