育児・教育コラム

注意の切り替えの訓練法~子供の自制心の鍛え方~

公開日:2018年3月27日

今日は注意の切り替えの能力のトレーニング方法を考えます。
 
 

 
 
 

注意の切り替えとは?

注意力とは適切に意識を向けることができる能力です。
「適切に」ということがポイントで、例えば前を歩くことに注意を向けすぎて横から来る車に気づかなかったら危ないですよね。

注意力があるということは、その強弱や対象を状況に応じて変えることができる必要があります。

もっと詳しく:注意力とは? 集中力と注意力の違い

注意力にはいろいろな側面があります。
「注意の切り替え」は、注意する対象を適切に変えることができる能力です。

先ほどの例でいくと、通常は前をしっかり向いて、横断歩道に来たら左右に注意を向けるといった感じです。
 
 
 

注意の切り替えトレーニング

注意の切り替え能力に長けると、物事に集中しつつメリハリのある行動ができます。

休み時間はリラックスし、授業中(仕事中)は集中する。
注意の切り替えはだらだら時間の予防になります。

注意の切り替えは物事を惰性で判断せず状況にあった基準で物事を判断するのがポイントです。

以下、注意の切り替えトレーニングの一例を見ていきましょう。
 
 
 

鏡のように手を挙げる

まずはステップ1。

あなたと相手が対面します。
相手が右か左の手を挙げます。
相手と同じ方向の手をあなたも挙げます。
※相手が右手を挙げたらあなたは左を挙げます。鏡のように。

これをまず10回前後やりましょう。
3歳児でもできる簡単な真似っこ遊びです。
 
 
 

対面して、左右を逆に挙げる

次のステップです。

相手は手をグーにして、どちらかの手を挙げます。
あなたは相手と左右逆になるよう手を挙げます。
※相手が右を挙げたらあなたも右。鏡にならないように。あなたは手はグーでなくてかまいません。

先ほどは鏡のようにやったから、急に逆になると戸惑います。

けれどこれもそれほど難しくはありません。
4歳児でも気をつけながらできる程度。
 
 
 

4パターンのルール

さて、ここからが本番です。
ステップ1と2をランダムに混ぜて行います。

つまり、
・相手が普通に右手を挙げたらあなたは左手を挙げる。
・相手が普通に左手を挙げたらあなたは右手。
・相手がグーで右手を挙げたらあなたも右手。
・相手がグーで左手を挙げたらあなたも左手。
この4パターンをランダムに出してもらい、あなたはできるだけ早く対応するようにします。

これは結構難しいです。
参考に、この形式の課題は13歳の子供でも20%の確率で間違った手を挙げてしまいます。
 
 
 

おわりに

このように、注意の切り替え課題はある条件下ではそれまでと逆のことをするような内容が効果的です。

そそっかしい人はこのての課題が苦手そうですね。
 
 
 

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参考文献

ポー・ブロンソン、アシュリー・メリーマン『間違いだらけの子育て』インターシフト、2011年

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