ADHD(注意欠陥多動性障害)は日本語訳通り、
注意力が不足し日常生活に支障をきたしている状況が考えられます。
※注意よりも多動性に課題がある方の場合はその限りではありませんが。
では、注意力とは一体なんでしょう?
注意力とは適切に意識を向けることができる能力です。
この「適切に」というのがポイントです。
注意を向けられないということは注意力が乏しいですが、
逆に注意を向けすぎればそれは「気にしすぎ」で物事に集中できません。
「気にしすぎ」は注意力があるとは言えません。
集中力と注意力とはなんだか似た言葉ですね。
2つの違いはなんでしょう?
集中力とは一つの物事に意識を向け続けられる力です。
注意力とは一つの物事に意識を向けつつ周囲にも意識を払える力です。
言い換えれば、
集中力は物事に没頭する力であり
注意力は周りに気がつく力です。
しかしながら集中力と注意力は必ずしも対立する言葉ではありません。
注意力の方が概念としては広く、
イメージとしては注意力という概念の中に集中力も含まれます。
注意力には種類があります。
1.持続的注意
2.選択的注意
3.分割的注意
注意力を持つためにはこれらがバランスよくある必要があります。
これらが欠けると一般的に言われる注意散漫な状態になります。
注意力をどれだけ長く維持できるかということです。
「集中力が続く」と似たニュアンスです。
先述したとおり、
注意力とは適切に意識を向けることができる能力です。
世の中には様々な刺激があり、私達はそれを無意識に取捨選択しています。
ざわついている部屋の中でも、目の前の相手の人の会話を聞いています。
私達は、目の前のたくさんの刺激から「いま意識を向けるべきこと」を無意識に選んでいるのです。
選択的な注意ができないと、
あれもこれもと気になってすべきことに意識を向けることが難しくなります。
人は一つの物事を一つひとつやるばかりではありません。
時には複数の物事を同時に行います。
料理をしながら音楽を聞く。
買い物をしつつ子供がちゃんと一緒にいるか気にする。
車を運転しつつ車内の人と会話をする。
複数の物事を同時にこなすとき、
注意力をバランスよく分配する必要がでてきます。
このような分配能力が分割的注意です。
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