摂食嚥下障害の評価

聖隷式嚥下質問紙とは?|摂食嚥下障害のスクリーニング評価

公開日:2020年10月22日


 
 

聖隷式嚥下質問紙とは?

聖隷式嚥下質問紙は「せいれいしきえんげしつもんし」と読みます。

聖隷式嚥下質問紙とは、問診形式による摂食嚥下障害のスクリーニング評価の1つです。

 
 
 

聖隷式嚥下質問紙の解説

聖隷式嚥下質問紙は日本で作られた摂食嚥下障害の評価ツールです。

摂食嚥下障害へのアプローチ方法として信憑性の高い指針の1つに、日本摂食嚥下リハビリテーション学会による「摂食嚥下障害の評価2019」があります。

「摂食嚥下障害の評価2019」には推奨する問診形式のスクリーニング検査は2つ記載されており、

1つは世界的にも広く使われているEAT-10(イートテン)

そしてもう1つが聖隷式嚥下質問紙です。

摂食嚥下障害の評価において簡便に実施可能な問診形式の検査は何かと重宝します。

その病院独自の書式を作っているところも少なくないですが、

もしもある程度共通した書式を使いたいと思う場合、聖隷式嚥下質問紙は1つの選択肢となるでしょう。

 
 
 

聖隷式嚥下質問紙の実際

聖隷式嚥下質問紙はネットで用紙を閲覧することができます。(参考資料欄にリンクを設けています)

聖隷式嚥下質問紙は質問項目に対してA・B・Cの3段階で答えてもらいます。

Aが「しばしばある」など重度を示し、

1つでも回答に「A」があると「嚥下障害の可能性が高い」とします。

摂食嚥下障害に限らず、

多くの問診表は回答を点数化してカットオフ値を求めることが多いですが、

聖隷式嚥下質問紙はこのABCで回答する方式が特徴と言えます。

 
 
 

おわりに

同じく問診形式のEAT-10と比較すると、

EAT-10は「飲み込むことが苦痛だ」といった主観的な回答を求められることが多い印象です。

一方で聖隷式嚥下質問紙は「こぼれることがありますか?」「むせることがありますか?」といった事実ベースの質問が多い印象を受けます。

どちらが患者さんにとって答えやすいかは人によるでしょうが、そういった性質の違いも踏まえて使い分けるといいかもしれません。

 
 
 

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参考資料

『摂食嚥下障害の評価 2019』(日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2020年8月3日検索

『第3章 食事,摂食・嚥下 3.摂食・嚥下障害の評価』(長寿科学振興財団)2020年8月26日検索

『聖隷式嚥下質問紙』(長寿科学振興財団)2020年8月26日検索

『摂食・嚥下障害スクリーニングのための聖隷式嚥下質問紙と30 ml 水飲みテストの関連』(日本摂食嚥下リハビリテーション学会 J-STAGE)2020年8月26日検索

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