仕上げ磨きはいつまで?
仕上げ磨きっていつまでしてあげたほうがいいのでしょう?
子供が自分なりに歯磨きをしたあとに、親が不十分な点を補う意味で磨いてあげる「仕上げ磨き」。
お子さんの状況や家庭の方針にもよるでしょうが、
仕上げ磨きは小学校4年生頃までしてあげると無難かと考えられます。
以下、もう少し詳しく。
「仕上げ磨き」の意義
なぜ仕上げ磨きをするのでしょう?
当然「虫歯にならないため」ですが、もう少し掘り下げてみます。
仕上げ磨きの意義は、「子供の虫歯の予防」と「歯磨きの指導」ではないでしょうか。
当然ながら、親が子供の歯を一生仕上げ磨きするわけにはいきません。
いつかは自分一人で磨いてもらいます。
仕上げ磨きをやめた途端、虫歯になられては親としてもやるせないです。
つまり、ただ「磨いてあげる」のではなくて、
仕上げ磨きを通して「正しい歯磨きの仕方」や「歯磨きの大切さの知識」、「正しい歯磨きをする習慣」を子供に身に着けてもらうことが大切です。
「虫歯にならないように」だけではなくて、
子供と親が時間を共有する仕上げ磨きの時間は、「いつか自分一人でもできる」ようになってもらうための時間なのですね。
「仕上げ磨き」の時期
幼児期の仕上げ磨き
以上のことを踏まえて、仕上げ磨きの期間について考えてみましょう。
小児歯科学雑誌の論文によると、
3~6歳のお子さんをもつお母さんの95.2%が仕上げ磨きを行っていたそうです。
このように見ると、幼児期の仕上げ磨きはやはり重要なようですね。
では、小学校、つまり児童期はどうでしょう?
で詳しく書いていますが、
歯科医学的には17歳くらいまでは大人と比べて虫歯になりやすい時期です。
とは言うものの、中学校や高校になっても仕上げ磨きをするというのはなかなか現実的ではないですね。
何か落とし所がほしいですね。
児童期の仕上げ磨き
文部科学省の資料によると、
虫歯は歯の生え始めと、歯が生えてから硬化するまでの時期(エナメル質が完成する時期)が最もなりやすいです。
小学生というのは永久歯が生える時期です。
このため小学生という時期は口腔環境が著しく変化する時期です。
そんな学童期において、
最も乳歯から永久歯への生えかわりが顕著なのが小学校3・4年生の時期です。
この時期は歯の生えかわりに伴うぐらつきや痛みといったことが背景になり、食事の内容が変わったり歯磨きがおろそかになりがちです。
このように考えると、
小学校中学年(3,4年生)の時期は、歯磨きが難しい一方でしっかり磨いてあげる必要があります。
さらに、その後の小学校5・6年生という時期は歯の生えかわりは徐々に落ち着くものの、宿泊体験や修学旅行など自分の身の回りのことを自分でできることが前提の行事や生活が待っています。
このように考えると、
小学校高学年になる前までに、子供が自分で過不足なく歯磨きができる技術と習慣を身に着けさせてあげたいものです。
まとめ
仕上げ磨きっていつまでしてあげたほうがいいのでしょう?
何歳までしないといけないという明確な基準はありません。
お子さんの性格や家庭の習慣にもよりますしね。
しかしながら目安として、
小学校4年生、つまり10歳くらいまではしてあげると無難かなと考えられます。
仕上げ磨きの意義はやはり「虫歯の予防」と「正しい歯磨きの指導」でしょう。
10歳前後は特に永久歯への生えかわりが著しい時期なので、丁寧に磨いてあげたいです。
また、小学校の5年生になると宿泊体験、6年生になると修学旅行がある学校がほとんどでしょう。
つまり親元を離れて外泊する機会がでてきます。
小学校高学年までに、歯磨きなどの整容を自分で過不足なくできるようになっておくと安心ですね。
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参考資料
『家庭における子どもの歯科保健に対する保護者の意識とその実態について』(J-STAGE)2019年5月12日検索