通常の日本語の発音から見ると不自然な、なんとも表現しづらい音を異常構音と言います。
側音化構音は異常構音の一つです。
側音化構音は機能性構音障害の一つの症状としてしばしば見られます。
補足記事:機能性構音障害とは?
人は声を出すときに息が出ます。
発音の際、息は通常、口の中心から出ます。
構音の際、通常であれば呼気は正中から出るのです。
しかし発音の際に下顎や口唇が側方にずれると呼気が出る場所がずれてしまいます。
呼気が正中ではなく側方から出てしまい、音が歪んだ状態を「側音化構音」と言います。
側音化構音は側方から空気が漏れてしまう構音状態です。
側方からですので、口角から呼気が出ると考えていいでしょう。
側音化構音ではどちらか片方の口角から呼気が漏れる場合と両方の口角から漏れる場合があります。
いずれにせよ、側音化構音は正しい発音の妨げになる場合があります。
側音化構音は特にイ列の音に多く見られます。
イ列、つまり「い、き、し、ち、に、ひ、み、り」などの音です。
側音化構音になると、「キ」や「ヒ」に近い歪んだ音になってしまいます。
側音化構音の改善も、基本は構音訓練です。
正しい音を把握するための耳の訓練と、
正しい音を発音するための口の訓練を行います。
側音化構音は呼気が側方から漏れてしまう症状です。
そのため正しい「い」の発音や舌の脱力練習などを通して、呼気を正中から安定して出せるようにしていきます。
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【参考文献】
本間慎治『改訂 機能性構音障害』建帛社、2007年