側音化構音におけるラ行([r])の学習
側音化構音の構音訓練においてラ行([r])は一番最後に練習することが望ましいと考えられます。
これは[r]が定型発達において比較的後に獲得される点、自然治癒率が比較的高い点が理由として挙げられます。
解説
側音化構音とは
側音化構音とは、呼気が口角の一方または両方から漏れることで音が歪んだ状態のことです。
傾向としては、イ段の音([ri](り)・[ki](き)・[gi](ぎ)・[ɕi](し)・[tɕi](ち)・[dʒi](じ)など)や拗音の音が比較的歪みます。
このため側音化構音の構音訓練では種類が異なる複数の子音を練習する必要があります。
側音化構音は構音時の舌・口唇・下顎の偏位が背景として考えられ、機能性構音障害の中で最も自然治癒率が低いと言われています。
側音化構音の指導の流れ
側音化構音の構音訓練ではまず最初に「い[i]」の音の訓練を行い、舌・口唇・下顎の偏位と音の歪みを取り除きます。
これを基礎とし、子音の指導に移っていきます。
側音化構音は同じイ段であっても[pi](ぴ)・[bi](び)・[mi](み)といった両唇音が障害されることは少ないので、これらをキーワードの音として指導するケースもあります。
子音の指導順序はおおむね[ɕ]の音から開始し[r]が一番最後となります。
側音化構音の指導の順番
側音化構音において「り [ri]」は最も歪みやすい音ですが、指導としては一番最後に行うことが無難です。
[ri]以外に歪んでいる音があれば、先にそちらから練習を行いましょう。
この理由としては、そもそも[r]の音は獲得時期が遅い音です。
一方で、[r]の歪みの改善(自然治癒)は他の音と比べると比較的見られるという報告があります。
以上より、[r]の歪みは発達途上で一過性に見られる症状である場合もあり、自然治癒の可能性が高い障害音の練習はできるだけ後にするほうが合理的と考えられます。
参考資料
湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年


