SST(ソーシャルスキルトレーニング)についてです。
自分がやりたくてやっている言動、あるいはなんとなくやっている言動が周囲から見ると不自然だったりすることがあります。
【フィクションは現実をデフォルメしている】
漫画、アニメ、小説、ドラマなどのフィクションに影響を受ける人は多いでしょう。
フィクションは往々にして登場人物の言動を誇張しています。
つまり実際よりも大げさに表現しているのです。
誇張しているからこそ、わかりやすいです。
わかりやすいから、影響を受けやすいです。
でも影響を受けたからといってフィクションの言動をあなたがそのまま実生活でやっていはいけません。
アニメのセリフをそのまま言っても格好良くありません。
誇張しているからこそ、現実とは異なります。
現実とは異なるからこそ、実際にその言動をやると不自然なのです。
【作品の中では格好良いことも、それを現実にやると格好悪い】
漫画などの言動はその漫画の世界の中だから格好良かったりかわいかったりするわけです。
それを現実でやると格好悪かったり気持ち悪かったりします。
なぜなら先ほど書いた通り、フィクションは言動を誇張しているからです。
そしてその不自然さを人はなかなか教えてくれません。
自分で気づき、修正していくしかないのです。
【フィクションでありがちな行動】
フィクションでありがちな行動例を挙げます。
これらを実生活でやると格好悪かったり気持ち悪がられたりする可能性があります。
下記の行動はしないほうが無難です。
鉛筆やボールペンを耳の上にのせる
普通にペン立てに入れたり胸ポケットにしまってください。
また、基本的に他の人が使う可能性のあるものを自分の素肌に密着させることはあまり良い印象は受けません。特に男性は注意です。
ウインクする
明らかなギャグとしてならよいですが、基本これを格好良く行うことは不可能です。
物を口にくわえる
両手がふさがっているときでもこれをやってはアウトです。
他人が口でくわえた物を人は触りたくありません。
爪を噛む
大人の方は卒業してください。
これは許されるのは小学校前半くらいまでです。
ちなみに爪を噛むことが日常化していると深爪になるので見る人が見ると「この人普段爪噛みしてるな」とばれます。
ですので人が見ていないところならしていいかというとこれも避けた方が良いです。
人前で鼻をほじる
だめです。汚いです。
音が大きすぎるくしゃみ、ぶりっこのくしゃみ
音が大きすぎるくしゃみは場がしらけます。
「へっ、くちゅんっ!」というような女の子がぶりっこしたようなくしゃみはアニメなどではありますが、実生活では同姓はおろか男性も引きます。
遅刻しそうだから食パンを口にくわえたまま登校する
古いですね。これもだめです。
まず食べ物を口にくわえている時間が長いのはアウトです。
できるだけ速やかに口の中にしまってください。そして咀嚼してください。
食べ物をくわえたまま歩く・走るはもってのほかです。
【フィクションでありがちな言葉】
今度は言葉の例を挙げます。
村上春樹さんの作品の登場人物のようなセリフ
作家、村上春樹さんの小説を読んだことがある人はわかると思います。
ああいうセリフは実生活では避けたほうが無難です。
引用しない
アニメや漫画のセリフとそのまま自分が言ったことのように引用しないようにしましょう。
かなり高い確率で違和感が出ます。
標準語を使いたがる
首都圏の人は別ですが、地方の人はその地域に合った方言を使いましょう。
アニメやドラマが標準語なのは全国の人を対象にしているからです。
あなたが話すのはあなたの地域に合った方言です。
無理やり標準語で会話しても変です。
【最後に:「でも自分がしたい言動はしてもいい。」】
あれはだめこれは格好悪いと書きましたが、結局は自分がしたい言動をしてもいいです。
言動には2種類あります。
・自分が「こうありたい」と考えてする「したい」言動
・自分が「こう思われたい」と考えてする「こう見てほしい」言動
2つのうち前者、つまり「自分がしたい言動」はアニメだろうがドラマだろうがいくらでも真似していいのです。それで自分が好きになれたり自身を持てればそれが一番です。
ただし、人の言動というものは自分だけで完結するだけのものではありません。
他人から好かれたい、格好良く思われたい、かわいく思われたい、愛されたい。
他人にこう見られたいという理由からとる言動もあります。
そういう言動については他人の目を気にしないといけません。
すごく当たり前ですが、人に好かれたいなら人に好かれるような言動をとらないといけないということです。
そしてどんな言動が人に好かれるかということ考える必要があります。独りよがりな言動ではだめなのです。
大切なのは使いわけです。
自分が今やっている言動が「したい言動」なのか「こう思われたい言動」なのか考えることが大切です。