子供が背負う荷物の許容範囲と実情の比較
小学生が背負う荷物の重さはどのくらいが許容範囲なのでしょうか?
平均的な体重の小学生が背負う荷物の重さの許容範囲は以下のように考えられます。
そして、()内の重さは実際に子供達が背負っている荷物の重さの平均です。
- 1年生:4.3 kg(4.9kg)
- 2年生:4.8 kg(5.4kg)
- 3年生:5.4 kg(6.0kg)
- 4年生:6.2 kg(6.3kg)
- 5年生:7.0 kg(6.5kg)
- 6年生:8.0 kg(6.7kg)
これらから、小学校1~3年生は身体的に負担が大きい荷物を毎日背負っている可能性が考えられます。
解説
子供の荷物の重さの許容範囲
米国小児科学会によると、子供が背負う荷物の重さは体重の10~20%を超えないようにすることを推奨しています。
例えば文部科学省の統計では小学校1年生女児の平均体重は21.5kgとなっています。
これの20%は4.3kgとなります。
実際の荷物の重さの平均は4.9kgですから、「重過ぎる」荷物を背負っていると言えます。
小学生の荷物の実情
メーカーにもよりますが、ランドセルの平均的な重さは1.3kg程度です。
目安としては1kgに近いモデルは軽め、1.4kg以上は重めのモデルといったところになります。
さらに、日本鞄協会による荷物の重さの平均を加えると冒頭のような数値になります。
1~3年生についてはランドセル+荷物の重さの平均が平均体重の20%を超えていることがわかります。
重過ぎる荷物への配慮を
文部科学省も状況に応じて教科書・教材を学校に置いたままにすること(いわゆる「置き勉」)を推奨しています。
宿題に必要な教科書などを置きっぱなしにするのは違いますが、使わない物に関しては学校に置いたままにすることは合理的でしょう。
また、子供が荷物の重さで憂鬱になったり身体的負担を感じている場合は、一旦荷物の重さが許容範囲か大人がチェックしてあげることも有意義でしょう。
参考資料
『Backpack Safety』(American Academy of Pediatrics)2022年5月26日検索
『童生徒の携行品に係る配慮について』(文部科学省)2022年5月26日検索
『小学生の学習用具の携行方法と負荷について』(日本家政学会)2022年5月26日検索
『池田屋』2022年5月26日検索
『小学生における通学時の携帯品重量の現状と身体症状との関連』(瀬木学園リポジトリ)2022年5月26日検索
『体型に合ったランドセル選び』(日本鞄協会 ランドセル工業会)2022年5月26日検索
『学校保健統計調査』(文部科学省)2022年5月26日検索
『令和2年度学校保健統計調査の公表について』(文部科学省)2022年5月26日検索