ランドセル症候群とは?
ランドセル症候群とは、重過ぎる荷物を背負うことで子供に精神的・身体的症状が生じることを指します。
ただし「ランドセル症候群」とは医学的診断名ではなくあくまで俗称になります。
身体に比して重過ぎる荷物を背負うことは、腰痛などの身体症状だけでなく「学校に行くのが苦痛」といった精神的な影響も考えられます。
解説
ランドセル症候群が起こる理由
子供の荷物が以前よりも重くなっている傾向、そういった子供の生活環境に社会の意識がより向いている点から、子供の重過ぎる荷物が問題視されています。
ランドセルに入れた教科書や荷物は、昔も決して軽いものではありませんでした。
しかしながら近年はその重量がさらに増していると考えられます。
理由の1つはランドセルの大型化です。
昔と異なり現在はA4サイズのファイルが入るランドセルが主流となっています。
ランドセル本体の重さ自体は種類によって昔と同じか少し増えたくらいですが、大型化したことで相対的に物がたくさん入るようになりついつい重量が増してしまいます。
また教科書も大型化しています。
昔よりも図やイラスト、写真などが入ったわかりやすい教科書は、サイズもページ数も増え1冊あたりの重量が増えています。
さらに、タブレットの普及も小学生の荷物に大きく影響しています。
タブレットとは言いつつも、実情はキーボードがついたほぼ「ノートパソコン」を扱っている学校も少なくなく、これを日々持ち帰る生活は子供の荷物の重量に大きく影響しています。
何キロ以上は背負わせたらダメ?
健康に配慮したランドセルの重さは、その子の体重や筋力、通学路の距離にもよるので一概には言えません。
目安としては体重の10%以内に収めると無難と言えます。
米国小児科学会によると、子供が背負う荷物の重さは体重の10~20%を超えないようにすることを推奨しています。
このため、少なくとも体重の20%を超えるような重量にはしないほうがいいでしょう。
参考資料
『Backpack Safety』(American Academy of Pediatrics)2022年5月26日検索
『童生徒の携行品に係る配慮について』(文部科学省)2022年5月26日検索
『小学生の学習用具の携行方法と負荷について』(日本家政学会)2022年5月26日検索
『池田屋』2022年5月26日検索
『小学生における通学時の携帯品重量の現状と身体症状との関連』(瀬木学園リポジトリ)2022年5月26日検索
『体型に合ったランドセル選び』(日本鞄協会 ランドセル工業会)2022年5月26日検索
『学校保健統計調査』(文部科学省)2022年5月26日検索
『令和2年度学校保健統計調査の公表について』(文部科学省)2022年5月26日検索