予測的妥当性とは?
予測的妥当性とは、ある尺度の結果と、将来の別の尺度の結果の関連を見ます。
端的には、「予測的妥当性」とは「その測定方法で先のことをどれくらい正確に予測できるか」を見ます。
解説
位置付け
分類としては、「予測的妥当性」は「基準関連妥当性」の1つとされます。
そもそも「妥当性」とはその測定方法が測定したいものをちゃんと測定できているかを見ることです。
妥当性には大きく3つの種類があると言われることが多いです。
その3つとは「基準関連妥当性」「構成概念妥当性」「内容的妥当性」です。
予測的妥当性は基準関連妥当性の下位概念と言えます。
意味
冒頭で述べた通り、「予測的妥当性」とは「その測定方法で先のことをどれくらい正確に予測できるか」を見ます。
例えば小学校4年生時点の国語の成績は、その子が小学校6年生になったときの国語の成績をどれくらい予測できるでしょうか。
4年生のときに国語の成績が良かったからと言って、6年生でも国語が得意かはわかりません。
しかし少なくとも4年生時点の体育の成績よりは国語の成績のほうが6年生になったときの国語の成績予想には役立つでしょう。
このため、小学校6年生の国語の成績を予想する際、小学校4年生時点の国語の成績は体育の成績よりも予測的妥当性が高いと考えられます。
予測的妥当性はこのように今時点のある尺度で将来の別の尺度を予想する妥当性です。
予測的妥当性が高い尺度は将来予測に役立ちます。
例えば「会社で活躍できる人材」を見ることができる入社テストは、予測的妥当性が高い検査と言えます。
逆にそのテストが高得点でもすぐに辞めてしまう社員やトラブルを起こす社員が多かったら、そのテストの予測的妥当性は高いとは言えないでしょう。
「妥当性」の種類や意味
参考資料
『妥当性概念の歴史的変遷と心理測定学的観点からの考察』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月18日閲覧