構成概念妥当性とは?
構成概念妥当性とは、その尺度がどのくらい適切にその構成概念を捉え測定できているかを指します。
端的には、「構成概念妥当性」とは、抽象的な物事を測るときにその「抽象的な物事」をきちんと把握できているかを見ます。
解説
位置付け
そもそも「妥当性」とは、「測定方法」が「測定したいもの」をちゃんと「測定できているか」という着眼点のことです。
例えば「幸せな人の人数」を調べるときに、「お金持ちの人の人数」を調べても不十分であると言えます。
お金があるからと言って必ずしも幸せとは限らないからです。
このように何かを測定する場合、それを正しく測定できる尺度作り・問題設定が必要です。
これが妥当性です。
そして妥当性は「基準関連妥当性」「構成概念妥当性」「内容的妥当性」の3つに分類されることが多いです。
構成概念妥当性は妥当性の1つの種類・考えと言えます。
意味
冒頭で述べた通り、構成概念妥当性とは抽象的な物事を測るときにその「抽象的な物事」をきちんと測定できているかを見ます。
抽象的な物事を測定するときほど、その構成概念をしっかり考えることは重要です。
例えば、「ケーキのおいしさを測定する尺度」があったとします。
「おいしい」という概念は非常に抽象的です。
何をもって「おいしい」としたらいいのでしょう?
クリームの濃厚さでしょうか? スポンジの柔らかさでしょうか? 果物の新鮮さでしょうか?
少なくとも、例えば「ケーキのおいしさを測定する尺度」が単に「ケーキの甘さ」しか測ってないのであれば、その尺度は「おいしい」という概念をはき違えていると言えるでしょう。
そしてそれは構成概念妥当性の観点からは妥当性が低いと言えるかもしれません。
このように構成概念妥当性は抽象的な物事を測定する際に大事です。
「妥当性」の種類や意味
参考資料
『妥当性概念の歴史的変遷と心理測定学的観点からの考察』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月18日閲覧