弁別的妥当性とは?
弁別的妥当性とは、別の構成概念を有していると考えられる尺度との相関の低さを見ます。
端的には、「弁別的妥当性」とは、「関係がないテストとちゃんと結果が被っていないか」を見ます。
解説
位置付け
分類としては、「弁別的妥当性」は「構成概念妥当性」の1つとされます。
そもそも「妥当性」とはその測定方法が測定したいものをちゃんと測定できているかを見ることです。
妥当性には大きく3つの種類があると言われることが多いです。
その3つとは「基準関連妥当性」「構成概念妥当性」「内容的妥当性」です。
「弁別的妥当性」は「構成概念妥当性」の下位概念と言えるでしょう。
意味
冒頭で述べた通り、弁別的妥当性は別の構成概念を有していると考えられる尺度との相関の低さを見ます。
例えば、白い服が好きな人のために、ショッピングモールで白い服がたくさん売っているおすすめのお店を見つけてくれるロボット「ホワイト」と開発したとします。
このロボット「ホワイト」は、白い服を扱っている割合が多いお店を自動で見つけ、教えてくれます。
この「ホワイト」が便利だということで、黒い服が好きな人が黒い服を見つけてくれるロボット「ブラック」を開発してほしいと言いました。
「ブラック」はショッピングモールを探索し、黒い服を扱っている割合が多いお店を教えてくれます。
さて、この「ホワイト」と「ブラック」ですが、当然ながら双方がおすすめするお店は違うはずです。
「ホワイト」は白い服を探し、「ブラック」は黒い服を探します。
つまり2体のロボットは異なる構成概念で動いています。
このため、2体のロボットが出す答えは異なるはずです。
仮に「ブラック」が「ホワイト」と同じお店をおすすめした場合、「ブラック」は黒い洋服を見つけることに失敗している可能性があります。
もしそうなら、「ブラック」は弁別的妥当性が低いということになります。
逆に「ホワイト」がおすすめしないようなお店を「ブラック」が見つけた場合、上手に黒い服を扱うお店を見つけている可能性があります。
つまり弁別的妥当性が高い可能性があります。
2体のロボット「ホワイト」と「ブラック」が正しく動作するということは、互いのおすすめするお店が異なる必要があります。
なぜなら「ホワイト」は白い服を探し、「ブラック」は黒い服を探すからです。
異なる構成概念を採用しているので、両者の答えが常に異なる、つまり相関が低い方が弁別的妥当性は高いと言えます。
「妥当性」の種類や意味
参考資料
『妥当性概念の歴史的変遷と心理測定学的観点からの考察』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月18日閲覧