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妥当性とは?
妥当性とは、ある尺度が意図したものをきちんと測れているかを見ることを指します。
つまり端的には、「妥当性」とは「測りたいことをちゃんと測れているか」ということです。
解説
妥当性の意義
ある尺度において「測りたいものをちゃんと測れているか」という視点は重要です。
例えば小学生の「漢字の理解力」を見る際、「漢字テスト」をさせることは妥当かもしれませんが「計算ドリル」をさせたら的外れと言えるでしょう。
このように、何かを調べたくてテスト・検査・調査をする場合、「測りたいことを測れるような方法にちゃんとなっているか」を検証することは重要です。
これが「妥当性」の意義と言えます。
妥当性の歴史
一般的に妥当性は「基準関連妥当性」「構成概念妥当性」「内容的妥当性」の3種類に分類されることが多いです。
歴史的には、妥当性の概念は「基準関連妥当性」から出発したと考えられます。
そして科学や学問が成熟していく中で、「構成概念妥当性」が登場します。
そのような中で妥当性の分類が検討され、「内容的妥当性」を加えた3種類での認識が主流となっていきます。
しかし「基準関連妥当性」「構成概念妥当性」「内容的妥当性」という要するに分類・ジャンル分けはわかりやすい反面、互いの重なっている部分を見えにくくしてしまいます。
このため近年は妥当性を3つに分類することは適切ではなく、最終的に「構成概念妥当性」の1つにまとめることができるとする考えもあります。
このように諸説ある妥当性の解釈ですが、ここでは便宜的に「基準関連妥当性」「構成概念妥当性」「内容的妥当性」の3つの視点からまずは触れていきたいと思います。
そしてこれら3つの妥当性それぞれに属する下位の妥当性(表面的妥当性、理論的に妥当性、収束的妥当性や弁別的妥当性など)についても見ていきます。
主な妥当性の解説
妥当性の詳細な種類・分類
【基準関連妥当性】
判別的妥当性
予測的妥当性
併存的妥当性
【構成概念妥当性】
収束的妥当性
弁別的妥当性
【内容的妥当性】
表面的妥当性
理論的妥当性
参考資料
『妥当性概念の歴史的変遷と心理測定学的観点からの考察』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月18日閲覧