ネガティブ思考のメリット
ネガティブ思考は現状を変えたいというモチベーションに寄与し、行動力支えてくれる場合があります。
ネガティブな気質をうまく活用すれば、目標達成のために役立てることができるでしょう。
解説
ネガティブ思考とは?
心理学的に、ネガティブな思考は主に性格因子における「神経質傾向」が関連します。
人の性格をいくつかの要素で見る際、5つの要素で考えるビッグファイブ理論は有名です。
ビッグファイブでは人の性格を以下の5つの要素のバランスで考えます。
- N:神経質傾向(Neuroticism)
- E:外向性(Extraversion)
- O:開放性(Openness to Experience)
- C:誠実性(Conscientiousness)
- A:調和性(Agreeableness)
このうち神経質傾向は、怒りや不安といったネガティブな感情に関連し、端的には神経質傾向のスコアが高い人ほどネガティブ思考になりやすいと言えます。
神経質傾向の高さが良くない方向に働くと、鬱病なども危惧されます。
しかし神経質傾向それ自体に良い・悪いはなく、状況によっては冒頭で述べたようなプラスの働きをすることもあります。
神経質傾向の強み
神経質傾向に関する研究によると、誠実性と神経質傾向が高い学生は学業成績が良い傾向にあったそうです。
神経質傾向が高いゆえに抱く「現状を変えたい」というモチベーションと、誠実性がもたらす「自我の強さ(エゴ・ストレングス)」が合わさった結果と言えます。
また、一説では仕事に没頭できるワーカーホリックには神経質傾向が高い人が多いと言われます。
さらに、知的専門職として成功する要因として(若干ながら)神経質傾向の高さは示唆されています。
このように、「ネガティブ思考」は何かと良くないイメージがつきまといがちですが、正しく活用すれば有意義な気質と言えるでしょう。
ビッグ・ファイブ理論とは?
参考資料
ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年