自分を追い込むことは長期的には良くない
人は時間やお金など余裕がなくなることで一時的に物事に集中できることがあります。
しかしこういった欠乏から自分を追い込むことは無意識の判断力に影響を及ぼし、長期的には好ましくないと考えられます。
夏休みの最終日に宿題を行うと追い詰められて集中できるかもしれませんが、結果としてやっつけ仕事になってしまうというのはよくある話ではないでしょうか。
研究と例
中間軌道修正
会議で最初は雑談のような不毛な話に時間を割き、終わり際になってやっと結論が出るような実のある話が始まるのはよくあることではないでしょうか。
組織行動学の研究者であるコニー・ガーシック氏はこういった状況を「中間軌道修正」と呼んでいます。
人は残り時間が少なくなってやっと結果に直結するような行動をとり始めます。
ガーシック氏は「作業の中間点」は「飛躍的な進展」の始まりと表現します。
作業時間の前半は、ついとりとめのないことに時間を割きがちです。
中間軌道修正と欠乏の心理
人は何かが不足(欠乏)するとそれに意識が向きがちです。
中間軌道修正は欠乏に対する人の心理に関連していると考えられます。
締め切りが近づき時間がなくなることで、出さないといけない結論やあげないといけない成果を意識し始めます。
自分を追い込むことで力が出るということは誰しも心当たりがあるのではないでしょうか。
欠乏は時として人の意識を目的に向け、集中力を促す場合があります。
解説
欠乏は人の集中を促し時として結果を出すことに協力してくれます。
しかし欠乏は基本的に人の無意識を占拠し冷静な判断力を奪ってしまいます。
冒頭で述べた通り、夏休みの宿題のように資源が欠乏した状態では人はやっつけ仕事をしてしまいがちです。
月並みな結論にはなりますが、
人が良いパフォーマンスを出すために必要なのは、欠乏に後押しされたその場限りの集中力ではなく、余裕やゆとりから生まれる広い視野です。
追い込まれたプレッシャーが精神的・身体的な健康を害する経験をした人もいるでしょう。
欠乏による集中を習慣的に用いるのは好ましくないでしょう。