誠実な人は仕事で成功しやすいのか?
性格因子において誠実性が高い人は、仕事で成功しやすい可能性があります。
職業的成功と誠実性の相関はものすごく高いわけではありませんが、仕事の熟達度・昇進のスピード・収入などいずれの基準でも相関関係を示しています。
解説
誠実性とは?
- N:神経質傾向(Neuroticism)
- E:外向性(Extraversion)
- O:開放性(Openness to Experience)
- C:誠実性(Conscientiousness)
- A:調和性(Agreeableness)
誠実性とは、人の性格を5つの要素で考える「ビッグファイブ」理論における因子の1つです。
誠実性はルールを守る秩序や忠実さ、目標達成のために長期的な取り組みを行える達成努力や自制心に関連します。
このような能力は、仕事における成功を支える気質と考えられます。
誠実性と知能
仕事の成功と誠実性の高さは(ものすごく強いわけではありませんが)相関があります。
一方で、誠実性と知能には(わずかながら)ネガティブな相関があると考えられています。
つまり知能が高い人ほど誠実性が低い可能性が若干ながらあるということです。
これはよくよく考えて見ると腑に落ちる点があります。
誠実性とはいわゆる「コツコツ積み重ねる能力」や「目標に向かって努力する能力」に関わってきます。
しかし、知能が高い人、理解力が高かったり元から器用な人はそもそも準備や訓練期間を設けなくても物事が「できてしまう」経験をすることになります。
誠実性と知能のネガティブな相関は、遺伝レベルのであるのではなく環境によってもたらされるものと考えられます。
ビッグ・ファイブ理論とは?
参考資料
ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年