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z(有声歯茎摩擦音)の固定
ザ行の構音に必要な「z(有声歯茎摩擦音)」あるいは「ず」を誘導していきます。
構音訓練に際して気質的な異常がなく、「z」の産出の芽生えがある。あるいはキーワードとなる単語から「ず」を分離できる場合がこのページで扱う練習の対象となります。
つまり大雑把に言うと以下のような判断になります。
- 器質的な異常がある
→まずは医師の診断・処置 - 「z」および「ず」の音が全く構音できない
→まずはサ行の構音訓練 - サ行の構音訓練が終わった。あるいはサ行よりザ行のほうがすでに出ている
→このページで「z」を練習
解説
意義
サ行の構音訓練を行う中で、波及効果としてザ行が出ていることも少なくありません。
このためザ行の練習は適宜省略しながら行うことが多いでしょう。
もちろん、全てを省略するのではなく子供の状態を丁寧に評価しながら内容を吟味することが大切です。
「z」の産出について練習が必要と判断した場合、以下のような練習方法が考えられます。
方法・手順
「す」から「ず」の誘導
すでに「す」構音を獲得している場合、それを有声化して「ず」の産出を図ります。
子供へのイメージ付け・教示の仕方は、「濁った感じで」などその子がしっくりきそうなものを適宜探りましょう。
「つ」から「づ(ず)」の誘導
すでに「つ」の構音が可能な場合、それを有声化して「づ(ず)」を産出するケースもあります。
日本語の場合、表記的には「づ」と「ず」は異なりますが音としては同様と考えられます。
「ち」から「ぢ(じ)」の誘導
上記2つの方法が難しい場合、すでに「ち」の構音が可能であればそれを有声化して「ぢ(じ)」を産出するケースもあります。
さらにここから「じゃ・じゅ・じょ」の誘導も期待できるでしょう。
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以上のような流れで「ず」の単音の産出を促し、以降は「す」の練習と同じ方法で「ず」を完成させていきます。
構音訓練の一覧
参考資料
湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年