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子供が数を数えるために必要な3つの力
- 1対1対応の原理
- 安定順序の原理
- 基数の原理
例えば目の前に3つの物があり、それを数えて「3(サン)」と言える。
このように子供が数を数えるには、上記のような3つの概念がまず必要であると考えられています。
以下、詳しく見ていきます。
解説
計数の5原理
数を数える力において「計数の5原理」という考え方があります。
「計数の5原理」の5原理とは
- 1対1対応の原理
- 安定順序の原理
- 基数の原理
- 抽象の原理
- 順序無関係の原理
の5つを指します。
どれも重要な概念ですが、数を数える上では特に上3つの「1対1対応の原理」「安定順序の原理」「基数の原理」が重要と考えられています。
数を数えるために3つの原理
物を数えるときに、1つの物に「イチ」、次の物に「ニ」と言えなければ数を数えられません。
つまり1対1の対応ができないといけません。
また、「イチ、ニ、サン」と数は順番通りに言えなければ、たとえ1対1対応していても数は合いません。
また、「イチ、ニ、サン」と言った場合それは3個であり、「イチ、ニ、サン、ヨン」であれば4個です。
つまり最後に言った数がその物の個数を表しています。
このように、1対1対応させて順に数え、最後の数が総数を表していると理解できてはじめて数を数えることができます。
数唱とカウンティングの違い
「イチ、ニ、サン」とただ数を言うだけと、実際に数を数えることは異なります。
前者は数唱、後者はカウンティングと言うことがあります。
幼児期によるあるケースですが、「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、ナナ、ハチ、キュウ、ジュウ」と口では言えても、実際に数を数えることができない子がいます。
これは数唱はできるけれどカウンティングができないということです。
数唱はできてカウンティングができないということは、「1対1対応の原理」「安定順序の原理」「基数の原理」のどれかができていないと考えられます。
「計数の5原理」の5つの解説
参考資料
『小学1年生における計算学習の現状と課題 : 1年生の算数指導に関わった経験のある教員への質問紙調査と1年生への調査を通して』(植草学園短期大学)2022年6月3日検索
『数表記・数詞・具体物の三項関係に関する論考』(京都女子大学)2022年06月03日検索