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サリーとアンの課題を間違えたら発達障害なのか?
サリーとアンの課題を自閉症スペクトラム障害(ASD)の鑑別に用いることはあまり多くないように思います。
確かに自閉症スペクトラム障害児がサリーとアンの課題をはじめとする「誤信念課題」を苦手とする傾向はあります。
このためサリーとアンの課題にその子がどう答えるかは重要な情報の1つです。
しかしながら、誤信念課題および心の理論だけで自閉症スペクトラム障害を説明することは困難であるとするのが専門家の一般的な見解です。
解説
自閉症スペクトラム障害という診断
サリーとアンの課題を間違えたからといって自閉症スペクトラム障害の診断がつくわけではありません。
自閉症スペクトラム障害をはじめ発達障害の診断は医師が総合的な所見に基づいて下します。
そして発達障害は特定の検査の点数や正答が診断に直結するような機械的なものではないのが現状です。
多くの場合、検査の結果や課題の正答率は医師が参考にする情報の1つでしかありません。
自閉症スペクトラム障害の評価におけるサリーとアンの課題
自閉症スペクトラム障害の評価を、サリーとアンの課題1問のみで行うことは少ないように感じます。
サリーとアンの課題は定型発達では4~5歳頃に正答できるようになります。
このためサリーとアンの課題は幼児期の心の理論を見る検査と言えます。
幼児期であれば日常生活の様子がわかる検査であるASQやCARSなどの評価を行うことが有意義と考えられます。
また、心の理論についてもサリーとアンの課題だけでなく、複数の問題を実施して評価することになるでしょう。
心の理論欠如説の否定
自閉症スペクトラム障害児は、コミュニケーションの質的な障害があると考えられています。
そして定型発達児と比べると、サリーとアンの課題をはじめとする誤信念課題の苦手さが見られます(もちろん個人差があります)。
しかしながら、自閉症スペクトラム障害児のコミュニケーションの質的障害は、心の理論だけでは説明できないとする学説が主流です。
つまりサリーとアンの課題の不正解だけで自閉症スペクトラム障害を結び付けることは有意義ではないと考えられます。
自閉症スペクトラム障害の評価
ASQ(自閉症スクリーニング質問紙)



