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ABR(聴性脳幹反応)とは?
ABR(聴性脳幹反応)とは、脳波を使った聴力検査のことです。
そしてAABR(自動聴性脳幹反応)とはABRの結果判定の処理を自動化させたものです。
解説
正式名称や読み方
ABRという言葉は「Auditory Brainstem Response」の頭文字を取ったものです。
「エービーアール」とそのままアルファベットで読みます。
日本語では「聴性脳幹反応」と訳されます。
あるいは「聴性脳幹反応聴力検査」とされます。
さらにAABRは「Automated」つまり「自動」という言葉がつき「Automated Auditory Brainstem Response」となります。
これちらも読みは「エーエービーアール」とアルファベットをそのまま読みます。
日本語でもそのまま「自動聴性脳幹反応」あるいは「自動聴性脳幹反応検査」と訳されます。
ABR(聴性脳幹反応聴力検査)の内容
ABRは脳波を使った聴力検査です。
音を聞いてもらいそれに対する脳の反応を計測します。
脳波を測定するので、ABRは被験者がベッド上で安静してもらう必要があります。
しかし逆に言えば眠っていながらでも実施することができます。
ABR(聴性脳幹反応聴力検査)の意義
ABRの意義は他覚的な聴力検査であるがゆえに新生児に実施できる点です。
聴力検査は音が聞こえたらボタンを押してもらう「純音聴力検査」が一般的です。
これは本人にボタンを押してもらう必要があり、つまり検査の意義や内容を理解・自覚してもらう必要があります。
こういった検査を「自覚的検査」と言います。
自覚的検査は本人が状況判断をできない場合は実施できないのが難点です。
つまり理解力が伴っていない新生児には適用できません。
これに対し、反応を本人の意思ではなく他の客観的な側面で測定できる検査を「他覚的検査」と言います。
ABRは覚醒の有無に関わらず脳波を測定するので他覚的検査と言えます。
このため新生児などの聴覚スクリーニング検査でABRは実施されます。
ABR(聴性脳幹反応)、AABR(自動聴性脳幹反応)の違い
ABRは結果の判定に検査者の技量(経験)を必要とする側面がありました。このため実施に煩雑さがあり、これを自動化したのがAABRです。
脳波から結果の判定を自動化したものがAABRなので、ABRもAABRも検査自体の内容や意義は一緒です。
参考資料
『乳幼児聴力検査の適応年齢に関する-考察』(日本小児耳鼻咽喉科学会)2021年7月25日検索
『小児聴力検査に要する時間に対する年齢および発達の影響』(一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)2021年7月25日検索
『小児聴力検査』(宮崎県身体障害者相談センター)2021年7月25日検索
『乳幼児聴力検査』(滋賀県立小児保健医療センター)2021年7月25日検索
『新生児の聴力検査』(日本産婦人科医会)2021年7月27日検索
『新生児聴覚スクリーニング検査について』(日本産婦人科医会)2021年7月27日検索