聴性定常反応(ASSR)とは?
聴性定常反応とは、聴覚の検査方法の1つです。
音刺激に対する脳波を測定・分析する他覚的聴力検査になります。
英語では「auditory steady-state response」となり、頭文字を取って「ASSR」とも言われます。
解説
ASSRの検査内容
ASSRは耳からの音刺激に対する脳波から聴力を推定します。
一般的に聴力検査と聞くと「音が鳴ったらスイッチを押す」ような自覚的聴力検査を思い浮かべる人が多いでしょう。
ASSRは脳波を直接分析するため、上記のような被検者自身の判断や協力がいらない他覚的聴力検査となります。
ASSRの意義
ASSRは新生児の他覚的聴力検査として重要な位置づけとなっています。
新生児は先述のような「音が鳴ったらスイッチを押す」といった自覚的聴力検査が実施できません。
新生児の聴覚スクリーニング検査には他覚的聴力検査が必要であり、有名なものは聴性脳幹反応(ABR)があります。
しかしABRは低音域の聴力判定に苦手さがあります。
このため、ABRは新生児の聴覚スクリーニング検査としては有用ですが、そこで引っ掛かった子供の詳細検査を担うには情報量が多くありません。
難聴の疑いがあれば、当然ながら補聴器の使用が選択肢に挙がってきます。
このとき必要なのはその子の詳細な聴力、つまり正確なオージオグラムです。
ASSRは周波数ごとの聴力推定が可能である点から、乳幼児の詳細な聴力評価や補聴器フィッティングに有意義です。
その他の他覚的検査
参考資料
『乳幼児聴力検査の適応年齢に関する-考察』(日本小児耳鼻咽喉科学会)2021年7月25日検索
『小児聴力検査に要する時間に対する年齢および発達の影響』(一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)2021年7月25日検索
『小児聴力検査』(宮崎県身体障害者相談センター)2021年7月25日検索
『乳幼児聴力検査』(滋賀県立小児保健医療センター)2021年7月25日検索
『新生児の聴力検査』(日本産婦人科医会)2021年7月27日検索
『新生児聴覚スクリーニング検査について』(日本産婦人科医会)2021年7月27日検索
『聴力検査法の基準化に関する測定法部会への答申』(一般社団法人 日本聴覚医学会)2021年7月31日検索
『聴性定常反応 (ASSR)』(一般社団法人 日本聴覚医学会)2021年7月31日検索
『聴性定常反応検査 (ASSR) とその活用について』( 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)2021年7月31日検索