「自己コントロール」のソーシャルスキル
児童用社会的スキル尺度において、「自己コントロール」は社会的スキルを構成すると考えられる因子の1つです。
- けんかの場面でも感情を抑える
- 仲間と対立したときには、自分の考えを変えて妥協する
- 仲間から身体的な攻撃を受けたときは、それに応じず(相手にせず)にその場を離れる
- からかわれたり悪口をいわれたときには、無視したり話題を変えたりして対処する
「自己コントロール」の社会的スキルは、具体的には上記のような4つの項目となっています。
解説
因子の意義
社会的スキルにおける「自己コントロール」は、衝動的かつ感情的な行動の実行をコントロールするスキルを指します。
「自分をコントロールする」というのは大人になっても難しいと感じる人も少なくないかもしれません。
一方で、小学校をはじめ子供の集団の場は、子供同士の様々なやりとりを経験し自己コントロールを学ぶ場でもあります。
自分に合わせてくる大人ではなく、子供同士の対等なやりとりの中で自分をコントロールする経験を積むことは大切な機会と言えるでしょう。
平均値
冒頭の項目についてそれぞれ「全くみられない(1点)」「少しみられる(2点)」「時々みられる(3点)」「よくみられる(4点)」「非常によくみられる(5点)」で評価した場合の合計が、児童用社会的スキル尺度における「自己コントロール」の得点となります。
学年・性別によって前後しますが、児童用社会的スキル尺度において「自己コントロール」の平均は11~13点ほどとなっています。
このため大雑把に言えば、多くの子供は冒頭で挙げたような「自己コントロール」の様子が「時々見られる」程度には自分のことをコントロールできている様子が想像できます。
また、これも学年・性別によって前後しますが標準偏差は2~3点ほどとなっています。
このため極めて大雑把に言えば、「自己コントロール」の得点が4~7点以下の場合、学校生活においてその子は自己コントロールの社会的スキルが低い可能性が考えられます。
児童用社会的スキル尺度について
参考資料
磯部美良(2006)『児童用社会的スキル尺度教師評定版の作成』(一般社団法人 日本認知・行動療法学会)2024年12月31日閲覧