SSTを学級全体で行うこと
ソーシャルスキルスキルトレーニング(SST)は個別や小集団だけでなく、学校のクラス全体で行うことも有意義です。
問題を抱える児童へのアプローチとして行われることが多かったSSTですが、近年は学級集団の改善としてクラス全体に働きかける方法も注目されています。
解説
学級集団でのSSTの利点
ソーシャルスキルトレーニングを学級集団で行う利点は主に以下のようなものがあります。
- 子供同士がスキルのモデルとなる。
- スキルの実施の抵抗感が軽減できる。
学級集団でソーシャルスキルトレーニングを実施すると、スキルの実施者がクラスの生徒全員となります。
このため、スキルを比較的上手に実施できる生徒は、そうでない生徒のモデル(見本)となります。
学級集団でソーシャルスキルトレーニングを行うとこのように生徒同士が見本となりスキルを高め合う環境が期待できます。
個別のソーシャルスキルトレーニングだとスキルを実施する生徒は一人です。
この場合、子供によってはスキルを実施する際に「気恥ずかしさ」や「緊張」を生じる可能性があります。
しかし学級集団でソーシャルスキルトレーニングを行うとスキルの実施をみんなで行うため実施に際したハードルが下がることが期待できます。
「みんなもやっているから自分もやってみよう」「みんなよりうまくやってみるぞ」といったモチベーションの促進も考えられます。
学級の状態が児童に与える影響
生徒のソーシャルスキルは所属する学級集団の状態に影響を受けると考えられます。
つまりクラス全体としてのソーシャルスキルが低いと個々の生徒の精神面にも影響を与える可能性があります。
例えば日本教育カウンセリング学会の論文によると、子供達が相互的な人間関係の下で所属意識を持てる「満足型学級」は、そうでない学級と比べていじめが少ないそうです。
このような観点からも、クラス全体にソーシャルスキルトレーニングを行い学級集団の体質を改善することは重要と考えられます。
学級集団の状態・タイプ
参考資料
半田健(2019)『日本における自閉スペクトラム症児を対象としたソーシャルスキルトレーニングに関する研究動向』(一般社団法人 日本LD学会)2025年8月26日閲覧
小西一博(2016)『あたたかい言葉かけの促進に向けた小学校での学級全体へのSSTの取り組み』(日本教育カウンセリング学会)2025年8月31日閲覧
『ソーシャルスキルトレーニング絵カード』(エスコアール)2025年7月26日閲覧
