男女平等とは?
本当の意味での男女平等とは、公平さを保ちながら各々の多様な価値を尊重することであると考えます。
例えば大企業の社長において女性の割り合いが50%を下回ったとしても、それは本当に女性差別なのでしょうか?
心理学において男女では性格因子における「調和性」のスコアに差があります。
女性は男性よりも地位向上より周囲の調和に重きを置くとすれば、社長の割合も必然と異なってくることが予想できます。
解説
ビッグファイブとは?
ビッグファイブとは、人の性格を5つの要素で考える理論のことです。
- N:神経質傾向(Neuroticism)
- E:外向性(Extraversion)
- O:開放性(Openness to Experience)
- C:誠実性(Conscientiousness)
- A:調和性(Agreeableness)
ビックファイブにおいて人の性格は上記のような5つの要素のバランスで説明されます。
性格因子は男女によっても傾向に差があります。
冒頭で述べた通り例えば調和性の平均スコアは女性の方が高いとされています。
フェミニズムの基本的目標
フェミニズムの基本的目標のひとつは、公平さである。つまり、男性でも女性でも同じ適正とモチベーションがあれば、与えられる成功のチャンスは平等であるべきだということだ。このことについてはまったく疑う余地はない。だがそれは、現実に男性と女性とが平均して同じモチベーションをもっているということにはならない。
ダニエル・ネトル「パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる」(白揚社、2009年、p194)より引用
心理学者のダニエル・ネトルは、性格因子を踏まえて上記のように述べています。
機会の平等さは大切ですが、それが必ずしも同じ結果やモチベーションを生むとは限らないということです。
多様な価値を賛美し実証する
フェミニズムの第二の目標は、女性の多様な価値を賛美し、実証することである。それはしばしば男性の価値とは異なっている。そうであれば、女性が男性のようでないことを残念がるよりも、多くの女性に―マリアのように―備わっている向社会的指向を評価するほうがずっと重要なのである。
ダニエル・ネトル「パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる」(白揚社、2009年、p194)より引用
氏は上記のようにも述べています。
「女性が男性のようでないことを残念がるよりも」という表現は、「男性が女性のようでないことを残念がるよりも」という表現もできると思います。
全てが同じではなく違いを踏まえた公平さを持つことが本当の意味での男女平等と言えるのではないでしょうか。
ビッグ・ファイブ理論とは?
参考資料
ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年