食具食べ機能獲得期とは?
食具食べ機能獲得期とは、摂食嚥下機能の発達において、食器具を使った食事動作を獲得していく時期です。
定型発達においては1歳6か月以降に相当します。
これは離乳完了期以降に該当し、スプーンやお箸など難易度に合わせて段階的に進んでいきます。
解説
意義
摂食嚥下機能の発達は、以下のように進んでいきます。
経口摂取準備期
↓
嚥下機能獲得期
↓
捕食機能獲得期
↓
押しつぶし機能獲得期
↓
すりつぶし機能獲得期
↓
自食準備期
↓
手づかみ食べ機能獲得期
↓
食具食べ機能獲得期
このように、食具食べ機能獲得期は摂食嚥下機能の発達および離乳の最終段階になります。
ある程度の形のある食べ物を食べることができる口腔機能の発達と併行して、食事動作も獲得していきます。
機能や特徴
機能的には以下のような点が特徴となります。
- 頸部回旋の消失
- 口唇中央部からの食器の挿入
- 口唇での捕食
- 左右の手の協調
食器具はスプーンやフォーク、お箸など多様です。
食具食べ機能獲得期はおおむね1歳半以降になりますが、これは1歳半にできないといけないということではありません。
離乳の完了である1歳半以降から徐々に覚えていくことを指します。
もちろん年齢はあくまで目安であり、実際はその子のペースに合わせて働きかけていきます。
食具食べ機能が不十分の場合、スプーンなどで食べ物を口に押し込んだり、流し込んだりする様子が見られます。
こういった未熟な動作は咀嚼不全やこぼしにつながります。
以上のような点に注意しながら、食事指導をしていきます。
補足記事
参考資料
『授乳・離乳の支援ガイド(2019)』(厚生労働省)2020年2月25日検索
『摂食・嚥下機能の発達と減退』(一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2021年8月19日検索
『こどもの口腔機能の向上について』(鳥取県歯科医師会)2021年9月4日検索
『体の発達・食べる力の発達』(東京都福祉保健局)2021年9月4日検索