子供の語彙の構成
日本語には名詞・動詞・形容詞など様々な品詞がありますが、これらの割合はどのようになっているのでしょうか。
子供の表出語彙数(言える言葉)が200語くらいまでの時期の場合、名詞が45%、動詞や形容詞が20%、代名詞や接続語が5%ほどとなっています。
解説
語彙全体に対する各種品詞の割合
各品詞の語彙全体に対する割合は、全体の語彙数がどのくらいかによって多少変化します。
例えば語彙が200語くらいまでは先述の通り
名詞が45%
動詞や形容詞が20%
代名詞や接続語が5%
となっていますが、
これが600語ほどになると
名詞が40%
動詞や形容詞が25%
代名詞や接続語が10%
となります。
このように、やはり傾向としては言葉が増えていくにしたがって名詞以外の語彙が相対的に増えていることがわかります。
日本語と英語の語彙の構成の違い
語彙の構成は言語によって多少の違いもあるようです。
例えば英語の場合は語彙200語の時期の名詞は60%、600語の時期は45%となっています。
このように日本語は英語と比べると名詞の割合が若干少ない傾向にあります。
さらに代名詞や接続詞は語彙200語の時期には差がないものの、語彙が600語になる頃には差が見られます。
英語の場合は15%で日本語の場合は10%。
全体の語彙が600語ほどの時期には、代名詞や接続詞の割合は日本語のほうが少ない傾向にあります。
一方で、動詞や形容詞については特に差はないようです。
こういった傾向の理由は諸説ありますが、日本語の場合は主語(名詞)が主略されやすいという傾向が影響しているのではと考えられています。
語彙の割合と言葉の発達
一般的に子供の表出語彙は1歳半頃で50語以上になり、これ以降に語彙の増加が爆発的に加速します。
このように、子供の語彙数は特に幼児期においては現状や今後の言語発達を見る上で大切な指標となります。
一方で、子供の語彙を逐一数えることは語彙が増えれば増えるほど大変な作業です。
多少大雑把ではありますが、例えば語彙が200語までくらいは先述の通り代名詞や接続詞の割合は5%程度となっています。
50語の5%は2.5語。
名詞や動詞など各種品詞がバランスよく出ている状態であれば、代名詞や接続詞が2~3個ほど獲得していると、今後の言語発達が加速する可能性が考えられるでしょう。