3歳児が知ってる言葉って何個くらい?
以前に言語発達検査をとっていた経験から、子供の語彙数について考えます。
3歳児の語彙数ってどのくらいなのでしょう?
子供が「くるま」という単語を知っていてば、その子が言葉を1個知っていることになります。
ここで言う「語彙」とは「くるま」などの名詞だけでなく、「走る」や「優しい」など動詞や形容詞も含みます。
言語学的には、
3歳頃の語彙数はおよそ1000語と言われています。
3歳児の語彙力
子供の言語発達、とりわけ語彙に着目した検査に絵画語い発達検査(PVT-R)というものがあります。
子供に4つの絵を見せ、検査者が言った言葉と同じ絵はどれかを選択してもらいます。
シンプルではありますが子供の語彙力を見る代表的な検査の1つです。
PVT-Rによると
子供は3歳までに約1000語の言葉を獲得すると考えられています。
個人差はありますが、
子供は2歳までにおよそ300語の語彙を獲得すると考えられています。
2歳までの2年間で300語であるのに対し、2~3歳の時期は1年間で700語近い語彙を獲得していることになりますね。
つまり3歳頃は、それまでにないくらい早いペースで語彙が3倍以上増加することがわかります。
一般的に1歳半ないし2歳くらいから子供の言葉はそれまでとは異なった爆発的なペースで増えていきます。
この時期は「ボキャブラリースパート」とも呼ばれ、2~3歳の言葉の数はこのボキャブラリースパートが大きく影響していると考えられます。
3歳児の言語発達
そもそも人間にとって「言葉」とは、3つの役割があると言われています。
1つはコミュニケーションです。
これはわかりやすいですね。
他者と意思を伝えあうために言葉は便利です。
もう1つは、行動の調整です。
重い荷物を持つときに「よいしょ」と言ったり、不安な時に「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせたり。
言葉は自分の行動を調整するために使われることがあります。
そして最後が概念の理解です。
抽象的なことを理解するためには言葉が役立ちます。
3~4歳頃は言葉による行動調整ができはじめる時期です。
3歳頃は語彙数が急激に増える時期ですが、同時に言葉の使い方も成長していく時期と言えます。
おわりに(語彙の伸ばし方)
その子の語彙数が多いか少ないか。
気にはなるところですが1000語あるかどうか数えるのは現実的ではありませんね。
別の側面で見ると、
3歳頃は反対語や動詞の言い換えなどもできはじめる時期です。
「大きいの反対は?」に対して「小さい」と答えたり、
「靴は『履く』だけど、帽子は?」に対して「かぶる」
などを答えられるようになってきます。
こういったクイズで子供の言葉の力を見てみてもいいでしょう。
補足記事
参考資料
上野一彦 名越斉子 小貫悟『PVT-R 絵画語い発達検査』日本文化科学社、2008年