3歳児の発達

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3歳児のしつけの仕方・子育ての方法|子供の発達心理学より

公開日:2020年5月11日


 
 

3歳児のしつけ(躾)

子供の発達には個人差はありますが、傾向として

3歳頃は状況に応じて我慢したり、
注意されたことはやらないなど、
理性的な行動が増えてくる時期です。

それまでは幼い「赤ちゃん」だった我が子に、
時には叱り時には自分を律することを教える最初の時期が3歳前後と言えます。

しかしそういった自制心は子供にとってまだまだ成長途中です。

過剰な我慢を強いるのではなく、
ちょっとした理性的な行動を促し、
それができたときはたくさんたくさん褒める。

ある意味で、
しつけを行うための関係性や環境を整える時期が3歳頃とも言えます。

 
 
 

子供の発達の背景

3歳頃という時期は、
「やりたいけれど今はその状況じゃないからやめよう」という
自分をコントロールする様子が見えはじめる時期です。

例えば発達検査の1つであるKIDS乳幼児発達スケールによると、

「そのお菓子は明日食べようね」という問いかけに応じて明日食べることができるのは、3歳0ヶ月相当の発達項目になっています。

また、他の発達検査を合わせて見ても、

友達が使っているおもちゃを使いたいときに「貸して」を言える。

何かしたいけれど勝手にしてはいけないことに対して、
「〜していい?」と親に聞く。

こういった様子も3歳台に見られる兆候です。

3歳台は

  • 簡単な我慢ができる
  • 簡単な指示に合わせることができる
  • 行動の前に言葉で言える


といったことがポイントになってきます。

 
 
 

しつけの仕方

このようにずいぶんと理性的な兆候が現れる3歳頃ですが、

過剰なしつけは厳禁です。

3歳頃は、良くも悪くもスポンジのようにいろいろなことを吸収します。

我慢や指示に従うことを強要しすぎれば、
途端に子供にとってそれは「嫌なこと」で、
すぐに拒否反応が出て余計にしつけが困難になるかもしれません。

3歳頃にしつけは、
理性的に行動することが結果として自分も得をするのだということを経験し感じてもらうことが大切です。

そのためには、
子供が我慢できるギリギリのラインを見極めて、
それができたらたくさんたくさん褒めてあげます。

例えば子供がお菓子を食べたがったとします。

親からすれば、あと10分後のおやつの時間まで、待とうと思えば待てそうに思えたとします。

「お母さんがこの食器を片付けたら食べようね。今は食べない。」
と、まずは子供が明確に理解できる条件を提示します。

そして
母「いい?」
子「うん」

というように、
子供自身に返事をさせ、
しっかりお互いが約束に同意したことを共有します。

そして食器を片付け10分。

「片付け終わったよ。待ってくれたからお菓子食べよっか」

我慢ができたこと、
約束が果たされたことを確認します。

子供が約束を守れたから、
お菓子が食べられるということを確認しているのです。

「はい、お菓子。待っててくれてありがとう。
お菓子おいしいねえ」

我慢できた子供をたくさん褒めてあげます。

そして「お菓子おいしいねえ」という言葉かけで、
我慢することは自分によって良い結果を生むということを感じてもらいます。

 
 
 

おわりに

「我慢」や「しつけ」という言葉は、
なんだかネガティブな言葉のように感じてしまう人もいるかもしれません。

しかし、

自分で自分を律する力は、大人になっても役に立つ力です。

そして自分で自分を律する力は、根性論ではなく、

ほどよい厳しさの中でありながら、
たくさん褒めてもらえた自尊心から生まれるのではないのでしょうか。

そのためには、
子供が乗り越えられるギリギリの壁を設定できるかが重要です。
その見極めが、親の子育ての腕の見せどころでしょう。

自分をコントロールするほうが、
たくさんの楽しいことが待っている。
そう子供自身に気づいてもらえるよう、
背中を押してあげるのが「しつけ」なのではないでしょうか。

 
 
 

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参考資料

『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧

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