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「まとまりペースト食」とは?~嚥下食の分類と解説~

公開日:2019年6月13日


 
 

「まとまりペースト食」とは?

「まとまりペースト食」とは、食べることや飲み込むことの障害である「摂食嚥下障害」の方に対する嚥下食の分類の1つです。

食物の若干の送り込み能力がある方を想定した食事形態です。

言葉通り、見た目はペーストをまとめたような状態です。
元々の食材の形はしておらず、スライスゼリー状(薄い長方形)などに成形されています。

 
 
 

「嚥下調整食分類2018」とは?

「嚥下調整食分類2018」とは日本摂食嚥下リハビリテーション学会によって作成された嚥下食における分類方法や考え方の1つです。

正式名称としては「発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類 2018」と言います。

多くの食事形態の分類方法が成人の中途の摂食嚥下障害を想定している中、

「嚥下調整食分類2018」は、発達障害や脳性麻痺など重症心身障害児(者)の方を想定した嚥下食の分類です。

「まとまりペースト食」は「嚥下調整食分類2018」における副食の食事形態の1つに該当します。

 
 
 

「まとまりペースト食」の特徴

「嚥下調整食分類2018」における副食の分類では、「まとまりペースト」「ムース」「まとまりマッシュ」「軟菜」の4つがあります。

「まとまりペースト食」は通常食に近いほうから4番目ですから、「嚥下調整食分類2018」が想定する食事形態の中では最も障害が重度の人向けであることがわかりますね。

「まとまりペースト食」と「ムース食」はパッと見た感じはスライスゼリー状に成形された嚥下食として似ていますが、

「まとまりペースト食」はスプーンで押せばその形に変形し、混ぜればペーストになる軟らかく柔軟な形態である点が特徴です。

これにより、
舌による押しつぶし運動を促します。

「まとまりペースト食」と「ムース食」の使い分けとしては、食物を口腔内で若干保持できるのであれば「ムース食」、そうでなければ「まとまりペースト」といったところです。

つまり、
口に食物が入るとすぐに丸のみしてしまうような方の場合は「まとまりペースト食」が食事形態の候補として挙がる可能性が高いです。

 
 
 

まとめ

「まとまりペースト食」は嚥下食の分類の1つです。

パッと見た感じは他の段階である「まとまりペースト」や「まとまりマッシュ」に似ていますが、
スプーンで押せばその形に変形し、混ぜればペーストになる軟らかく柔軟な形態である点が特徴です。

若干の送り込み能力があることが前提となります。

安全に食事摂取を行いながら、
同時に舌による押しつぶし運動を促し摂食嚥下機能の維持・向上を目指します。

 
 
 

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参考資料

『発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類 2018』(日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2019年5月15日検索

『医療検討委員会作成マニュアル』(日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2019年5月15日検索

『『発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類2018』を活用するために』(栄養指導Navi)2019年5月15日検索

『食形態の分類』(栄養指導Navi)2019年5月15日検索

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