偏食と朝食の関係
朝食の品数が豊富であることは、偏食の予防・改善に効果がある可能性があります。
偏食および食べ物の好き嫌いは個人差があり、万人が同じ方法で改善されるわけではありません。
しかし統計的な傾向を見ると、朝食を充実させ生活習慣を整えることはある程度有意義であると考えられます。
解説
嫌いな食べ物の多さと朝食
学術的に一律の定義はないものの、「偏食」は一般的に「食べ物の好き嫌いが激しく特定のものだけを食べること」を指すと考えられます。
日本家政学会の調査によると、朝食の品数と子供の嫌いな食品の多さは関連があったそうです。
つまり朝食の品数が多い家庭の子供は嫌いな食品が少ない傾向にあったということです。
ちなみに、じゃあ昼食や夕食の品数は少なくてもいいのかというとそういうことではありません。
おそらく家庭の生活リズムが如実に表れやすいのは3食のうち朝食であり、その子の食生活を反映しやすいためと考えられます。
偏食改善のための朝食
偏食と朝食の関係において、具体的に何品にしたらいいかまでは言及されていません。
しかしながら目安としては野菜類や海藻類を含んだバランスの取れた食事が望ましいでしょう。
子供の嫌いな物としては野菜類や海藻類が挙がりやすく、これらをどのくらい好きかは偏食か否かに関連しやすいです。
また、品数の多いバランスの取れた朝食を摂るためには、子供自身が目を覚ましてお腹が減っているいい生活リズムも必要です。
朝食を子供が「楽しい」と感じることと、朝食の品数の多さには関連があると考えられています。
多忙な毎日の中ではありますが、子供が朝ごはんを楽しいと思える雰囲気作りも大切と言えるでしょう。
参考資料
『偏食の観点からみた幼稚園児の食習慣に関するパス解析』(一般社団法人 日本家政学会)2021年9月11日検索
『幼児の偏食と生活環境との関連』(日本民族衛生学会)2021年9月11日検索
『母親の就業状況別にみた幼児の偏食とその関連要因』(日本民族衛生学会)2021年9月11日検索
『幼児期前期における嫌いな食べ物の質的変化に関する縦断研究』(特定非営利活動法人 日本栄養改善学会)2021年9月11日検索
『幼児期における嫌いな食品の変化と偏食との関連』(西九州大学)2021年9月11日検索
『食の問題行動に関する臨床発達心理研究(1)偏食の経験的定義』(広島修道大学)2021年9月11日検索
『食の問題行動に関する臨床発達心理研究(2)偏食尺度の標準化と偏食の諸特徴』(広島修道大学)2021年9月11日検索